一級建築士製図

私が実践していた一級建築士製図試験の課題文構成のおさらいとミスを減らす読み取り方法をご紹介します。

一級建築士製図試験課題読む順番

“課題文の読み取り方ひとつで不合格が決まっていた”ということがあり得るのが一級建築士製図試験の怖いところです。

なぜならこの試験は課題文に書かれている要求をどのように満足させるかで合否が決まっているからです。

特にこれまで、

  • 課題文の重要語句の読み飛ばしをしてしまうことがよくある
  • いくら読んでも頭に入ってこなくて何度も読み返している

こんな経験があり、試験や練習課題で苦い思いをした方は

この記事を読んでいただくと、

課題文の読み飛ばしが少なくなり、内容の理解もしやすくなる

のではないかと思います。

ウラ指導さんの課題文の読み取り方を参考に、

自分なりに読み取りの順番や注意するポイントを考えて実践していましたのでそのご紹介をしたいと思います。

一級建築士製図試験における課題文の読み取りは重要です。

課題文の読み取りの重要性

一級建築士製図試験の流れは大きく分けて

  1. 課題文を読む(インプット)
  2. エスキスをする(アウトプット)
  3. 製図をする(アウトプット)

この3つで構成されています。
なかでも課題文を読むというパートは重要です。

正しくインプットができていないのに、正しいアウトプットができるわけがありません。

課題文の読み取りでよくあるミスや無駄

課題文の読み取りでよくあるミスや無駄は以下のようなものです。(私は色々やらかしました。)

  • プランニング上重要な語句の読み飛ばしをする
  • 文章の内容が頭に入らず何度も読み直してしまう
  • 文章を読むのに力が入り、精神的に疲労する
  • 課題文の中に出てくる語句の重要性を読み誤る

私は制限時間に焦るあまり、課題文の読み取りをおろそかにして上記のようなミスをしたことが結構ありました。心当たりのある方も多いのではないでしょうか。

この中で

“語句の重要性の読み誤り”について

私の苦い経験を元に補足説明をさせていただきます。

抽象的な語句の重要性を読み誤る

合格する能力は十分にあるのに逃してしまう方は課題文に書かれている語句を過小評価したり、逆に過大評価をしてしまうことでプランを大きく崩してしまう、

というミスが考えられます。

私の場合は“抽象的な語句の重要性”の判断のミスでした。(私が当時、合格する能力があったかどうかは疑問ですが・・・)

H27年の時の要求室の表の一番上にこのような文言が書いてありました。

“レストラン及びギャラリーについては、商店街との連続性を配慮するとともに、エン
トランスホールからの動線を考慮した計画とする。”

緊張の中、要求室の表の上の方に出てきたこの文言を見た私は、

「商店街との連続性の配慮?連続性を持たせるには、計画建物をだいたい商店街の壁面ラインに揃えて東側を広めにあけてそこに広場を作ったらいいな~、その広場からアクセスできる位置にレストランとギャラリーを設けて出入口をつくってアクセスできるようにしよう。」

という考えに至り、建物をできるだけ西に寄せ、建物の東西方向を縮めるべくL字型のプランを作るようにして東側に大きな広場を設けたプランにしました。

結果、敷地東側にだだっ広い広場を持つプランニングはユープラを見ても誰もいませんでしたし、当たり前ですが不合格でした。

後で冷静に考えれば、

たかだかレストラン、ギャラリーと商店街との連続性”のために建物全体の構成まで変える必要は無かったと思います。(I型で建物をまとめていれば合格に近づいていた)

また、”レストラン及びギャラリーの商店街との連続性“という文言の重要性についても読み誤っていました。

標準解答例の一つを見ると、

レストラン、ギャラリーとも商店街から連続する敷地東側からの直接の出入り口が設けられていないものがありました。

(東側のサブエントランスを通してアクセスできるようにはなっていましたが)

私はこの時”連続性”という言葉を過大に反応しすぎたのだと気づいたのです。

課題文の読み方で工夫したポイント

これらのミスを無くすように、ウラ指導さんのノウハウを学びながら、自分なりに課題文の構成をおさらいしたり、読み取り方やマーカー線の引き方を工夫しました。

  • 課題内容が把握しやすい順番で課題文を読んでいく
  • 毎年重要なことが書いている箇所を把握する(毎年同じ事が書いてある部分はさらっと読む)
  • 抽象的な文言は頭の片隅に残す程度にして、次に具体的要望が来るものとして読む
  • いつもと違う記述方法になっているところは特に注意をする
  • マーカー線の色に意味を持たせる

これらを意識する事で以下のような変化がありました。

  • 重要な語句の読み飛ばしをする →読み飛ばしが少なくなる
  • 文章の内容が頭に入らず何度も読み直してしまう →内容が頭に定着しやすくなる
  • 文章を読むのに力が入り、精神的に疲労する →メリハリをつけて読むため楽になる

課題内容が把握しやすい順番で読んでいく

これはウラ指導さんのノウハウで出てきますが、課題文は左から右、上から下へと順番に読んでいては課題の内容の理解がしにくい、というものです。

課題内容を把握するには外部環境の話から個別の要求室の話へ、抽象的な話から具体的な話へと読み進めることが重要だということでした。(もう少し違った表現だったかもしれません。)

それからは私も課題文の流れを意識して、自分が把握しやすい順番に変更し、読んでいくようにしました。

たとえばH30年の課題文では下記のような感じになります。

※なお、試験の問題用紙は無断転載や複製が禁止されていますので、なんとなくわかる程度で私が作成しなおしています。詳しくは実際の課題文を入手してご覧ください。

課題文の読み取り順

一級建築士製図試験課題読む順番

1設計条件主文 
2敷地及び周辺条件&敷地図 
3建築条件 
4留意事項 
5屋外施設 
6要求室表内一番上 
7要求室表内主文 
8要求室表内一番下 
9計画の要点等 
10、11要求図書 
12面積表 
13防火設備等の凡例

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このような流れになります。

ただしこれは私にとって理解しやすい順番なので、皆さんが一番理解しやすい順に組み替えればよいと思います。

次は課題文で毎年重要なことが書かれる箇所を把握するために、各パートの概要とパートの読みかた、注意する点などを挙げていきたいと思います。

順番は上記の読み取り順に説明していきます。

毎年重要なことが書いている箇所を把握する(毎年同じ事が書いてある部分はさらっと読む)

1設計条件主文

「どこそこにこういうものを建てる予定です。計画の建物はこのような施設にしたいです。計画ではこういった点に気を付けてほしいです。」

という求められる建物の要求の概略が書かれています。

このパートを見て計画の概要をおぼろげに把握するようにしています。

H30では

「戸建て住宅を中心とした市街地にある」「パッシブデザインを取り入れる」「周辺の他施設と一体的に利用」

というところを念頭において後のパートを読んでいくという感じでしょうか。

重要度について

「この部分に書かれていることは特に大切!」といって、深く読み込むように勧める方もおられます。

なんとなく理解はできるのですが、私はそこまで重要視していませんでした。抽象的な話が多く、ここをどれだけ読み込んでもプランには結び付かないと思っています。

逆にここで出てくる抽象的な言葉に惑わされないようにしましょう。

もし試験元が本当に要求するなら抽象的な言葉を具体的な要望にしてこの後のパートで書いていると考えられるからです。

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2敷地及び周辺条件&敷地図

「敷地や周辺環境はこのような条件や状況です。建蔽率(容積率)は○○%です。それと地盤はこのような状態です。」

という話が書かれています。

特に注意して読む部分は

建ぺい率、用途地域、(今年度以降は)防火地域は必ず把握しなければならない部分で、

他その課題ごとで地盤の状況などいつもと違う記載があったときは要注意です。

敷地図は接道状況、周辺環境、高低差、方位など様々な情報が書かれています。

普段見たことのない文言や図示が入っている場合は驚いて意識しがちですが、

この時点では囚われすぎないようにしてください。

H29では

北側に広がる樹林は眺望が良いとはどこにも書いていないのに、(問題文中に”(南や南東の)名峰や湖の眺望に配慮する。”と書いてあるにも関わらず)

客室を北側に設けた方が少なくありませんでした。

H30でいうと

南の公園や西の桜並木、北の駐車場のイメージを勝手に膨らませないように気を付けてください。

今回はどれも有効に利用できましたが、

課題文のバリエーションによっては実は全然利用できない周辺環境だったということも考えられます。

明文化されたものを信じるようにしてください。

 

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3建築条件

「建ててほしい構造や階数はこれです。床面積の上限と下限は○○です。外部のスペースの中で床面積に算入されるのはこういうスペースです。」

いつも同じことが書かれています。

注意して読む部分は

許容される床面積の範囲床面積の算定方法についての記載です。

面積超過は一発アウトなので、特に床面積の算定方法は要注意です。

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4留意事項

「建物の計画で特に次のような要望がありますので注意してください。建築計画は○○に、構造計画は○○に、設備計画は○○に配慮してください。」

設計条件主文の抽象的な要望に対応した各計画の具体的な要望が書かれています。

そのため個人的に特に注意して読むのがこの部分です。

プランが行き詰まりそうなとき、プランがある程度すすんだあとで読み返しながら進めます。

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5屋外施設

「屋外の施設はこのようなものを用意してください。」

駐車場や駐輪場、車寄せなどは建物全体の計画に大きな影響を与える場合があります。

そのため、各要求室にいく前に読むようにしていました。

また屋外テラスなどは建物内の要求室との動線のつながりが求められることが多く、

時に、屋外施設の方にだけ”動線に配慮”が書かれている場合も考えられますので注意が必要です。

注意する点は、

屋外施設が面積に算入されるかどうか

駐車場の種類や台数を過去に練習した課題を引きずってしまい、

求められたものになっていないという方もおられたので、そのあたりも頭を整理しておきましょう。

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6要求室表内一番上

「部門別、あるいは建物計画全体に対する要望はこちらです。」

H30ではエントランスについて、H29では客室の眺望についてH28では保育所部門の定員や、アクセス方法、上足の履き替えについて書かれています。

過去問を解いている方ならわかると思いますが、

しれっと書いているわりには毎度重要なことを書いてきます。

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7要求室表内主文

「各部門に必要な要求室と要求室の細かな要望はこちらです。」

マーカーの色が華やかになるのはこのパートです。

いうまでもなく重要なパートです。

近年は要求室の自由度が高く、重要度が判別しにくい課題も多いですが、

マーカーの色などを工夫すれば、それだけで理解しやすくなります。

※後日、別記事で私なりに工夫しているマーカー線引きの方法などをご紹介する予定です。

注意すべき点は、多機能トイレ、リネン室、洗濯室など目立たない、特記事項のない要求室を書き忘れてしまうことです。

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8要求室表内一番下

「そうそう、通用口や倉庫なども忘れないように注意してください。」

ここに書かれているものも要求室です。

なければ要求室の欠落に該当する恐れがありますので、未記入に注意してください。

特に従業員の通用口の名称未記入、または”従業員等の出入り口”という名称でもとめられたこともありました。この場合、念のため同じ名称で記入しておいた方が良いでしょう。

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9計画の要点等

建物全体や要求室にかかわる「建築計画・構造計画・設備計画で配慮したことを教えてください。」

要求室を一通り見たすぐ後で、つながりのあるこのパートを読み始めると内容の把握がスムーズです。

近年、書かせる内容に幅が広がり、画一的な解答が難しくなっているように思います。

私は計画の要点をみた段階で、プランに反映させる必要があるものと、必要のないものにざっくりと分別しています。

このあたりも後日、要求室のマーカー線引きの記事で詳しくご紹介します。

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10、11要求図書、要求図面

「図面には次のようなものを指示通りに記入してください。断面図はこの部分を切ってください。またこだわった部分を文章や矢印で表現してください。」

いつも似たような表現ですが、いつもと違う部分が無いか注意して読み進めてください。

今回で言うと出入口の▽や屋上の電気設備スペースの表記がそれにあたります。

また断面図は全体の構成が把握できるように切断することがほとんどですが、

課題文による切断位置の指定で、

間接的にプランニングがある程度固められることもあります。

例えば”エントランスの吹抜けを含んだ部分”と指定され、該当部分を切断しても建物全体の断面構成が確認できないことがあとになってわかるといった状況です。

注意してください。

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12面積表

「面積表には所定の面積を記入してください。」

たいてい同じことが書かれていますが一応目を通しておいてください。

H22では”「設備機械室の床面積の合計」の「建築物の床面積の合計」に対する割合を記入
する.”ことが求められています。

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13防火設備等の凡例

要求が無いことも多いですが、図面に記載しないといけない事項なので、要求図面と併せて把握しておきましょう。

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まとめ

課題文の読み方ひとつで不合格が決定することもありえる

課題文の読み取りでよくあるミスの例

  • プランニング上重要な語句の読み飛ばしをする
  • 文章の内容が頭に入らず何度も読み直してしまう
  • 文章を読むのに力が入り、精神的に疲労する
  • 課題文の中に出てくる語句の重要性を読み誤る

課題を正しく読み取るポイント

  • 課題内容が把握しやすい順番で課題文を読んでいく
  • 毎年重要なことが書いている箇所を把握する(毎年同じ事が書いてある部分はさらっと読む)
  • 抽象的な文言は頭の片隅に残す程度にして、次に具体的要望が来るものとして読む
  • いつもと違う記述方法になっているところは特に注意をする
  • マーカー線の色に意味を持たせる

 

私はこれまで一級建築士製図試験の合格に役立つ記事を色々と書いていきました。お役にたてる内容だと思っておりますので、是非ご覧ください!

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