一級建築士学科/環境分野/用語解説

一級建築士学科試験【換気計算】で出題される計算式が必要な問題を集めてみました。

環境設備分野では2年に1回くらい

計算問題や計算式を知っておくと解ける問題が出題されています。

私は独学で学科試験突破を目指していたため、

数ある計算式を過去問題集からノートに拾い出して短期集中で覚えました。

というのも、どの計算問題も計算そのものは簡単です。

計算式を覚えておけば点数は稼げる問題なので、

できれば点を取っておきたいところです。

そういうわけでこの記事では換気計算を集中して取り上げたいと思います。

※なお独学で頑張る方向けに学科と製図の学習法について書いておりますので、そちらもご覧いただければと思います。

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一級建築士学科試験の環境・設備分野で出される換気計算をまとめました。

室内の換気必要量Qを求める問題

室内の換気必要量Qを求める問題 H17年/問3より

“気体の汚染物質が発生する室において、イ~ニの条件における汚染物質濃度からみた必要換気回数に最も近いものは、次のうちどれか。ただし、発生した汚染物質は、すぐに室全体に一様に拡散するものとする。

条件

イ、室の容積:25㎡

ロ、室内の汚染物質発生量:1500μg/h

ハ、大気中の汚染物質濃度:0μg/立米

ニ、室内空気中の汚染物質許容濃度:100μg/立米

1、0.4回/h  2、0.6回/h 3、0.8回/h 4、1.0回/h 5、1.2回/h

室内の必要換気回数を求めるためには2工程必要とします。

まずは必要換気量をもとめて、その数字を必要換気回数を求める式に代入して出す、という形です。

必要換気量Q=室内の汚染物質発生量k/(室内空気中の汚染物質許容濃度Piー大気中の汚染物質濃度Po)

この式をただ覚えるのではなく、

必要換気量Qが増えるのは分子側が大きく、分母側が小さくなる場合なので、

分子側/室内の空気が汚れていくにしたがって増え、分母側/汚染を許容しない、または大気中の汚染が少なくなるにしたがって必要換気量は増えていきます。

「室内の空気が汚れたら換気が必要よな~、室内汚染を許さないんだったら当然換気量増えるだろうし、外の空気が綺麗だと換気しがいがあるけど汚いと換気しても汚染物質が入ってくるからそんなに換気しても意味なさそうやな~。」

というように自分なりの解釈を持っておくと記憶に残りやすいのと、文章問題になったときでも解きやすくなります。

今回の数字を代入すると、

必要換気量Q=1500/100-0=15(立米/h) となります。

次に必要換気回数N(回/h)を次式で求めます。

必要換気回数N=必要換気量Q/室の容積V

こちらも式に自分なりの解釈をしてください。

以上代入すると、

必要換気回数N=15/25=0.6(回/h)で(2)が正解となります。

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室内空気の重量絶対湿度を保つための換気量を求める問題

室内空気の重量絶対湿度を保つための換気量を求める問題 H15年/問2より

室容積150立米の居室において、室内の水蒸気発生量が0.6kg/hのとき、室内空気の重量絶対湿度を0.010kg/kgDAに保つための換気量として、最も適当な値は、つぎのうちどれか。ただし、室内の水蒸気は直ちに室全体に一様に拡散するものとし、外気の重量絶対湿度を0.005kg/kgDA、空気の密度を1.2kg/立米とする。また乾燥空気1kgを1kgDAで表す。

1、50立米/h  2、100立米/h 3、120立米/h 4、150立米/h 5、300立米/h

室内の水蒸気発生量に対する排湿のための必要換気量Q(立米/h)は

必要換気量Q=水蒸気発生量W/[空気密度ρ(ローと読む)]×(室内の重量絶対湿度の許容値Xi-外気の重量絶対湿度Xo)

式を個別に覚えていくと大変そうに見えますが、先ほどの汚染物質排気のための必要換気量の式と見比べてみましょう。

“必要換気量Q=室内の汚染物質発生量k/(室内空気中の汚染物質許容濃度Piー大気中の汚染物質濃度Po)”

ご覧のようにどちらも必要換気量を求めるだけあってほとんど同じです。違いは排湿のための必要換気量の方は空気密度ρ(ロー)が増えただけですね。

問題文中にうたってくると思うので、どこに差し込むのかだけ注意しておきましょう。空気の密度は分母に来ているので、空気密度が高ければ高いほど必要換気量は少なくて済むという感じですね。

必要換気量Q=0.6/1.2×(0.01-0.005)=100(立米/h)で(2)が正解となります。

二酸化炭素を発生する成人1人当たりの必要換気量を求める問題

二酸化炭素を発生する成人1人当たりの必要換気量を求める問題平成27年/問4より

“二酸化炭素を0.015立米/h発生する成人1人当たりの必要換気量は、外気の二酸化炭素濃度が0.03%で室内の許容濃度が0.1%の場合、約21立米/hとなる。”

今回は二酸化炭素排出のための必要換気量を求める問題ですが、汚染物質を排気する式と変わりません。

“必要換気量Q=室内の汚染物質発生量k/(室内空気中の汚染物質許容濃度Piー大気中の汚染物質濃度Po)”

Q=0.015/(0.001-0.0003)=21.4

となるので正答肢です。

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風圧力による換気量を求める問題

風圧力による換気量を求める問題 H26/問3より

外気温7℃、無風の条件の下で、図のような上下に開口部を有する断面の建築物A、B、Cがある。室温がいずれも20℃に保たれ、上下各々の開口面積がそれぞれ0.3平米、0.4平米、0.7平米、開口部の中心間の距離がそれぞれ4m、2m、1mであるとき、建築物A、B、Cの換気量QA、QB、QCの大小関係として、正しいものは次のうちどれか。ただし、いずれの開口部も流量係数は一定とし、中性帯は開口部の中心間の中央に位置するものとする。なお、√2≒1.4として計算するものとする。

温度差による換気(重力換気)量は次式のとおりです。

重力換気量Qg=流量係数α・開口部面積A・√2・重力加速度g・上下開口部の中心間の垂直距離h・√[(室温ti-外気温to)/(273+室温ti)]

式はかなりややこしいですが、計算問題で出てくる場合は各開口部の比較で答えさせる問題ばかりなので、答えを出す必要がありません。また前提条件も入れてくれるので、実際は単純な式で正答できますのでひるまず取り組んでください。

今回は温度差がなく流量係数も一定で、さらに比較の計算なので

重力換気量Qg=流量係数α・開口部面積A・√2・重力加速度g・上下開口部の中心間の垂直距離h・√[(室温ti-外気温to)/(273+室温ti)]

となり

重力換気量Qg=開口部面積A・√上下開口部の中心間の垂直距離h

になります。

ちなみにこの式を覚えておけば、

温度差による換気量(重力換気量)は開口部面積に比例し、上下開口部の中心間の垂直距離の平方根に比例する

という文章問題も解くことができるので、お得ですね。

QAが0.3×√4=0.6     QBが0.4×√2≒0.56  QC=0.7×√1=0.7 なので

QC>QA>QB となり、(3)が正解です。

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外気取入れガラリの開口面積を求める問題

外気取入れガラリの開口面積を求める問題 H27/問13より

風量14,400立米/h、有効開口率0.4の外気取入れガラリの開口面積は、3~5平米程度が望ましい。

ガラリの開口面積を問う問題はよく出題されています。個人的にはなぜこの問題がたびたびだされるのか、誰がどんな理由で推しているのか聞いてみたいですが、出されたからには確実に答えておきたいですね。

外気取入れガラリの式は以下の通りです。

風速(m/s)=風量(立米/s)/[有効開口面積(平米)→有効開口率(無次元)×がらり面積(平米)]

ガラリの問題の注意点

  • 外気取入れガラリの問題はどこかが虫食いになっているパターンが多いです。
  • 外気取入れガラリ部分における風速は今回のように問題中に表記されていないこともあるのですが、2~3(m/s)が良いので覚えておく必要があります。
  • 設問中に出てくる風量が毎時(/h)になっていることが多いので、必ず毎秒(/s)に変換しておきます。今回の分で言うと14400/3600=4(立米/秒)になります。
  • 有効開口面積が問題中に出ていればよいのですが、出ていない場合は有効開口率×ガラリ面積にて算出する必要があります。

式に数字を当てはめていきます。

2~3(風速)=4(風量)/0.4(有効開口率)×Aがらり面積(平米)]

A=4/0.4×(2~3)となって

A≒3~5となるので正答肢です。

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最後までお読みいただきありがとうございました。この記事の他に環境分野や計画分野の細かい知識から勉強法など幅広い知識まで色々と記事にしていますので、お時間がありましたら是非ご覧ください。

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