狭小住宅を検討している方へ、狭い家でも広く感じる間取り3つのポイント”兼ねる、繋げる、遮る”をご紹介します。

狭い家でも大丈夫。狭小住宅を広く使うポイント

注文住宅を考えられている方に、狭い家を広く見せる、家を広く使うための3つのコツを具体的にご紹介していきます。

ポイントは3点

  1. 兼ねる
  2. 繋げる
  3. 遮る

です。
それではさっそくご紹介していきます。

狭小注文住宅はアイデアで勝負!狭い家でも広く感じる間取り3つのポイントは”兼ねる、繋げる、遮る”

それではさっそくご紹介したいと思います。

狭小住宅に効くこれら3つのポイントはそれぞれ単独で使用することもできますが、組み合わせることで家をより広く開放的に感じることができます。

兼ねる(かねる)

“兼ねる”は別々の用途を持つ部屋と部屋を一つの空間にまとめることです。

ただ単に間仕切りを無くして空間を広く使う場合もあれば、空間を兼ねることで浮いた空間を圧縮することもできます。

狭小住宅広く見せる間取り1

 

※今後、画像のマル1~4までの数字の順に具体例をご紹介していきます。

1、トイレと洗面脱衣室の空間を兼ねて広く使う

参照:『上質に暮らすおもてなし住宅のつくり方』エクスナレッジ より

 

リオタデザイン設計の洗面室です。

トイレと洗面脱衣室を間仕切り無しで繋げることで広々とした空間にしています。

このような間取りは設計事務所の方に多いように思います。

トイレに壁が無いことに抵抗がある方もおられますが、

メリットとしては

  1. 空間が広く使え、体を自由に動かせるという点で高齢者の方や介護する方にとってはやさしい間取りです。
  2. また洗面室で室内物干しをする方も多いので、空間が広い分室内物干しスペースを広くとれるというメリットもあります。

2、トイレと洗面脱衣室の空間を兼ねて空間を圧縮する

参照:https://tokyomachi.exblog.jp/6750946/

 

参照:https://tokyomachi.exblog.jp/6750946/

 

伊礼智設計室設計の住宅のサニタリーです。

ここまでコンパクトに綺麗にまとめたものは見たことがありません。

本来標準で1坪半必要な洗面脱衣とトイレを1坪に圧縮しています。

1坪というだけでも凄いのですが、このプランでは洗濯機の上に階段が来ているため、洗濯機の上部は階段の勾配なりの低い天井になっているのに棚までつくってしっかりまとめています。使い勝手もよさそうです。

3、LDKと玄関を兼ねる

参照:http://www.u-kuukan.jp/works/house/seijo/

 

参照:http://www.u-kuukan.jp/works/house/seijo/

 

游空間設計室の住宅です。こちらの住宅はゆとりのある住宅ですが、狭小住宅を考えるうえでも参考になります。

1枚目の画像は玄関入ったところからリビング方向を見ていて、2枚目はリビングより玄関から続く土間を見ています。なお2枚目画像の左手にダイニングキッチンがあります。

リビング空間に玄関からの土間が一部に兼ねられています。土間には椅子が据えられており、リビングの延長としてこの土間部分を利用できるようになっています。

狭小住宅の場合は特に玄関、廊下、LDKときっちり分けずに一体的に利用できるように考えるのも手だと思います。

4、リビング、ダイニング、キッチン空間を兼ねる

参照:新建築 住宅特集260 2007 12月号

 

参照:新建築 住宅特集260 2007 12月号

 

リビング、ダイニング、キッチンってただのLDKじゃないのかと感じますが、ご紹介するのは5m四方もない空間にリビング、ダイニング、キッチンだけでなく階段まですべて納まっているプランです。

椎名英三建築設計事務所設計の住宅です。LDKだけでしたらそれほど難しくありませんが、階段があるだけでぐっと難しくなります。さらにバルコニーとつなげて、収納を確保して、というと難しい調整が必要だと思いますが、綺麗にまとまっています。

その気になればここまで空間を圧縮することも可能だという良い事例だと思います。

繋げる(つなげる)

狭小住宅広く見せる間取り2

 

“繋げる”は本来分離されている空間を物理的、心理的につなげることで、実際の空間よりも広く感じさせる方法です。

1、部屋と空を繋げる

参照:https://www.riotadesign.com/works/17_deco/#wttl

 

画像はリオタデザイン設計の住宅です。

部屋と空を繋げるにはハイサイドライト(高窓)やトップライト(天窓)が有効です。

メリットとしては、

  1. 隣地建物の影響を受けずに日照を得ることができ明るい空間にできます。
  2. 家の中から空へと視線が抜けることで開放的な気分を味わえます。

2、部屋と庭を繋げる

参照:http://www.u-kuukan.jp/works/house/tsuzuraori/

 

参照:http://www.u-kuukan.jp/works/house/utsunomiya/

 

画像は游空間設計室の住宅です。こちらの設計事務所は部屋と庭との繋がり方がどれを見ても素敵です。

特徴は部屋と庭、そしてさらにその庭から奥の部屋まで見通せるような関係になっている事です。

メリットとしては、

  1. 中、外、中と繋げることで空間の奥行きがぐっと増します。
  2. 自分の建物で向かい合う形になるので周囲の視線を感じにくくなり、カーテンを開けていてもプライバシーを保てます。

京都の長屋のように細長い長方形の敷地で建てられる方には是非とも利用してほしい手法です。

なお游空間設計室の高野保光さんは書籍を出されています。図面をわかりやすく説明しているだけでなく写真も豊富なので一般の方も楽しめます。

中には狭小住宅も手掛けられているのですが庭の設け方が素晴らしいので、写真で見ていると図面以上に広く感じられます。

どちらの書籍も良いと思いましたが、”住宅デザインのひきだし”の方が少しお手頃です。

3、階と階を繋げる

参照:https://www.riotadesign.com/works/12_shiraoka/#wttl

 

参照:https://www.riotadesign.com/works/13_shidare/#wttl

 

画像はリオタデザイン設計の住宅のLDKです。どちらも吹き抜けを設けて1階と2階をつなげています。

吹き抜けを持つことのメリットは

  1. 1階と2階という本来交わることのない空間を吹き抜けを設けてつなげることで、視線がより遠くまで抜けて、空間の広さを感じられます。
  2. どこにいても家族の気配が感じられる点です。1枚目の画像は2階に読書コーナーが、2枚目の画像は2階にスタディーコーナーが吹き抜けに隣接して設けられていており、家族の気配を感じられるようになっています。

広さを感じる感覚は”面積”ではなくて、高さを含めた空間の”気積”によるところが大きいため、例えば普通のトイレでも天井が吹き抜けになっているだけで開放感が全然違います。注意点は建物の全ての天井が高いと、結局はその高さに目が慣れてしまい開放感を感じにくくなるので、建物の中で天井の高低差のメリハリをつけることが大切です。

リオタデザインの関本竜太さんも書籍を販売されています。

どちらかというと実務者向けの情報が多いですが、納まりの情報など非常に丁寧に書かれていますので非常に勉強になります。またホームページは綺麗な施工例写真が多いので気になった方はそちらもチェックしてください。

4、スキップフロアにする

参照:http://tat-o.com/projects/3230/#

 

参照:http://tat-o.com/projects/3230/#

 

スキップフロアは1階2階の間に中2階というような階が存在するプランで、先程紹介した吹き抜けによる繋がりよりも各階の繋がりをより強めます。

画像はタトアーキテクツ設計の住宅です。何層にも分かれて床が存在していることがわかります。階と階との隙間により、どこにいても視線が抜けて開放感が抜群ですね。

ここまで思い切ったプランにしなくても十分に開放感を得る事ができます。

スキップフロアと狭小住宅は相性が良いので、検討してみてください。

遮る(さえぎる)

狭小住宅広く見せる間取り3

 

“遮る”は一見”繋げる”と反対の意味に感じますが、これは部屋の全体を把握できないように視線を少し遮ることで、かえって部屋を広く感じさせる方法です。

例えば、遊園地にある巨大迷路やお化け屋敷などがそれにあたります。迷路は中で彷徨っているときは広く、長く感じるものですが、物見台などで俯瞰して見ていると実は大した面積でないことがわかります。

住宅での活用法としては広く見せたいからといってただの大きながらんどうのワンルーム空間にするのではなく、

その中で家具を置いたり、格子を用いたり、一部間仕切り壁を用いたりして視線を遮ってあげることでその裏側の空間を想像させて、どこまでも空間が続いていくのではと錯覚させる方法に用いられます。

“完全に遮るのではなく少しだけ遮る”というところがポイントで設計事務所の方はそのあたりが非常に上手です。

参照:https://irei.exblog.jp/i50/

 

画像は伊礼智設計室設計の住宅のLDKです。1階の床面積がわずか10坪というコンパクトな住宅ですが、広く感じられます。

私はこの住宅の広さを感じるポイントは丸テーブル横にある家具間仕切りと、奥の簾戸(すど)にあると思います。

画像でいう家具間仕切りの左側はワークルームという空間でパソコンが置かれていますが、

間に視線を遮る高さの家具があることで部屋を一望させることを防ぎ、奥の空間への想像が膨らみます。

また簾戸についても、外の緑は見えるが、はっきりとは見えないという格子と同じような効果を持っていると感じます。

伊礼智さんは非常に人気のある建築家で、ご存知の方も多いですよね。工務店からの人気も高いため、家をこんな感じにしたいなぁと、どこかの工務店に相談に行くと、目を輝かせて対応してくれる会社も多いのではないでしょうか(笑)

また書籍も多数出版されています。

その中でも”伊礼智の住宅設計作法Ⅱ”は伊礼智さんが住宅の様々な疑問にQ&A形式で答えつつ、写真も豊富に掲載されている一冊と

狭小住宅を考えられている方はそのものずばり、“伊礼智の「小さな家」70のレシピ “がうってつけだと思います。

続いての画像はstudio velocity(スタジオベロシティ―)設計の住宅のワンルーム空間です。

参照:http://www.studiovelocity.jp/award-exhibition-internship-contact-profile/worksFrame.html

 

参照:http://www.studiovelocity.jp/award-exhibition-internship-contact-profile/worksFrame.html

 

こちらは巨大なワンルーム空間に煙突のような部屋がところどころに林立して空間を一望させるのを防いでいます。

この部屋のようなものは下におりる階段室になっていて、階段を降りると各居室があるという非常にユニークな構成です。

2枚目の画像を見るとわかりますが、ダイニングテーブルから死角になる位置も使える空間になっているので、部屋を動き回る楽しみがありますね。

まとめ

この世に完璧な敷地というのはほとんどなく、なにかしら欠点に感じる部分をもっています。しかし設計次第でそれがメリットに変わることがあるので、設計という仕事はおもしろいです。

この記事をみただけでお分かりいただけたと思いますが、建築家の方はそれぞれの”色”を持っています。自分がいいなと思ったら勉強の意味で、まずはホームページなどをチェックしておくと良いでしょう。

またこのブログでは今回ご紹介した手法の他、

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