この記事では一級建築士学科試験で
毎年出題されている火災対策・配管工事の
設問(問20あたり)を9年分まとめて
カテゴリーに分類しています。
一級建築士学科試験/施工分野/設備工事過去問題まとめ
設備工事は出題範囲があいまいで、
施工分野の各パートで出題される
設問も交じっていましたので、
この記事では火災対策と
配管工事のみにフォーカスし、
それ以外は他記事に回しています。
火災対策
1. 天井付近に吸気口のある居室において、自動火災報知設備の煙感知器(光電式スポット型)の取付け位置は、その吸気口付近とした。h22/21
2.自動火災報知設備の設置において、天井面への煙感知器(光電式スポット型)の取付
けは、換気口等の吹出し口から 1.2m離して取り付けた。h28/20
吸気口付近に取り付け、
逆に吹出し口からは
1.5m以上離します。
よって問1は正答肢、問2は誤答肢
3. 非常用エレベーターの乗降ロビーに、連結送水管の放水口を設けた。h26/20
正答肢です。
4.移動式の泡消火設備の泡放射用器具を格納する箱は、ホース接続口から4mの位置に設けた。h26/20
ホース接続口から3mまでの位置に
格納しなければなりません。誤答肢
5. 消防用水の設置場所は、消防ポンプ自動車が2m以内に接近できる位置とした。h23/20
正答肢です。
6.外壁に設ける換気用の排気口については、屋外避難階段から2m離して設けた。h23/20+h28/20+h30/20
正答肢です。
7.延べ床面積50.000m2以上の建梁物の直通階段において、階段通路誘導灯を非常用の照明装置で代替するに当たり、その予備電源の容量は、60分間作動できるものとした。h26/20
正答肢です。
8.防火区画の壁を貫通する風道において、防火区画に近接して防水ダンパーを設けるに当たり、当該防火ダンパーと当該防火区画との間の風道は、厚さ1.6mmの鉄板でつくられたものとしたh26/20
正答肢です。
厚さ1.5mm以上の鉄板、
又は
鉄網モルタル塗他不燃塗料で
被覆します。
9.防火区画の壁を貫通する配電管は、呼び径 82mm(外径 89mm)の硬質塩化ビニル
電線管とし、当該配電管と防火区画との隙間をモルタルで充塡した。h29/20
正答肢です。
配管工事
1. 電気設備工事において、二重天井内の鋼製ケーブルラックの支持間隔を2m以内とし、直線部と直線部以外との接続部では、接続部に近い箇所で支持した。h25/20
正答肢です。
支持間隔は鋼製なら2m、
それ以外では1.5mです。
2. ケーブルラックの支持金物の取付けに当たり、あらかじめ取付用インサートを設置できなかったので、安全性を十分に検討したうえで、必要な強度を有する「あと施工アンカー」を用いた。h27/20
正答肢です。
3. 壁内に設置するCD管(合成樹脂製可とう電線管)については、コンクリート打設時にCD管が移動しないように、壁縦筋に隙間なく沿わせて1m以内の間隔で堅固に結束した。h26/8
1m以内の間隔で
結束するのは正しいですが、
壁や床配筋に平行の配管は
30mm以上、
梁に平行の配管は
100mm以上
の間隔をあけます。誤答肢
4. コンクリートスラブに埋設する合成樹脂製可とう電線管(CD管)については、スラブの上端筋と下端筋との間に配管し、専用支持具等を用いて1m以下の間隔で下端筋に結束した。h23/20
5.合成樹脂製可とう電線管をコンクリートスラブに埋設するので、電線管をスラブ配
筋の上端筋と下端筋との間に配管し、コンクリートの打込み時に管が移動しないよ
うに専用支持具等を使用して、曲り部分については 0.5m以下の間隔で下端筋に結
束した。h29/20
6. コンクリートに埋設される合成樹脂管配線における硬質ビニル管は、配管時とコンクリート打設時の温度差等による伸縮を考慮して、直線部が10mを超える場合は、適切な箇所に伸縮カップリングを使用する。h24/21
全て正答肢です。
設問どおりではありませんでしたが、
コンクリートスラブへの
電気配管を施す動画がありました。
※動画は3分程度ですが、
30秒で流し見してみても
上記の設問の感じが
掴めるかと思います。
7. 軽量鉄骨間仕切壁内に合成樹脂製可とう電線管(PF管)を配管するので、その支持間隔を1.5m以下とし、バインド線を用いて支持した。h25/20
正答肢です。
8. 管径が28mm の合成樹脂製可とう電線管 (PF 管)を配管するに当たり、管の内側曲げ半径を管内径の6倍とし、曲げ角度を90度とした。h27/20
正答肢です。
曲げ半径は管内径の6倍以上、
曲げ角度は90度が限度です。
9. 配管の埋設工事において、給水管と排水管が平行する部分については、両配管の水平実間隔を300mmとし、給水管を排水管の上方に埋設した。h25/20
間隔は500mm以上
離さなければなりません。
よって誤答肢です。
10.寒冷地以外において、車両が通行しない平坦な敷地における給水管の埋設深さを、
管の上端から 300mmとした。h28/20
正答肢です。
ちなみに車両が通行する部分は
管の上端から600mmです。
11. 寒冷地における給水管の地中埋設の深さは、硬質塩化ビニルを内外面に被覆した鋼管を使用したので、凍結深度よりも浅い位置とした。h27/20
寒冷地では凍結深度よりも深く
しなければなりません。誤答肢
12.コンクリート埋込みとなる分電盤の外箱は、型枠に取り付けた。h30/20
正答肢です。
配管等勾配
1. 住宅の換気設備の排気ダクトについては、住戸内から住戸外に向かって、先下がり勾配となるように取り付けた。h22/21
正答肢です。
排気ダクトにかかわらず
住戸内と住戸外をつなぐ配管は、
室外のものが室内に流入しないように
住戸内から住戸外にむかって
下がっていく勾配にします。
2.戸建て住宅の換気設備工事において、排気ダクトについては、雨仕舞いに優れた形
状の丸型ベントキャップを用いたので、排気効率を考慮し、住戸内から住戸外に向
かって、先上がり勾配とした。h28/21
※いくら雨仕舞に優れた
ベントキャップを利用しても、
ダクトを
住戸内に向かって下がるような
勾配を設けてはいけません。誤答肢
3.排水設備工事における排水トラップは、封水深さが5~10cmのものを使用した。h28/20
正答肢です。
4. 排水槽の底については、吸込みピットに向かって1/8の下がり勾配とした。h23/20
1/10~1/15の勾配
でなければなりません。
なお沈殿した汚泥を取り除けるよう、
吸込みピットを設けます。誤答肢
5. 屋内の横走り排水管の勾配の最小値を、管の呼び径75のものについては1/100呼び径150のものについては1/200とした。h25/20
6.屋内の横走り排水管の勾配の最小値については、呼び径65以下を1/50、呼び径125を1/200とした。h30/20
問5は正答肢、問6は誤答肢です。
管径と最小勾配について
- 管径65以下⇒1/50
- 管径75,100⇒1/100
- 管径125⇒1/150
- 管径150以上⇒1/200
7. 蒸気給気管を配管するに当たり、先下り配管の勾配は1/250とし、先上り配管の勾配は1/80とした。h27/20
正答肢です。
その他
1.空気調和設備工事に用いるロックウール保温材のうち、ロックウールフェルトにつ
いては、特記がなかったので、フェルトの密度が 20kg/m3のものを使用した。h29/20
フェルト密度は40kg/m3以上必要です。誤答肢
2.エスカレーターの上下乗り場及び踏段で行う検査において、踏段相互間及びスカー
トガードと踏段との隙間については、エスカレーターの全長にわたって接触することなく5mm以下であることを確認した。h29/20
正答肢です。
3.雷保護設備における引下げ導線については、保護レベルに応じた平均間隔以内として、建築物の外周に沿ってできるだけ等間隔に、かつ、建築物の突角部の近くになるように配置した。h30/20
正答肢です。
4.建具工事において、防火扉の危害防止装置の検査については、扉の閉鎖時間をス
トップウォッチにより測定し、扉の質量により運動エネルギーを確認するとともに、
プッシュプルゲージにより閉鎖力を測定した。h29/21
正答肢です。
5.耐火建築物におけるメタルカーテンウォール工事において、下階から上階への延焼
と火炎を防止する層間ふさぎについては、カーテンウォール部材の挙動により耐火
材が脱落しないように厚さ 1.6mmの鋼板の層間ふさぎ受けを取り付けた。h28/21
正答肢です。
一級建築士学科試験の施工分野9年分の過去問題をまとめました。他の設問へもこちらからリンクできます。
https://halu-ie.com/gakka-sekou-roundup-article/
また一級建築士試験の施工分野の出題傾向と、私が過去問題での学習を勧める根拠をまとめています。こちらもご覧ください。
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