この記事では一級建築士学科試験で
毎年出題されている
内外装工事の設問(問19あたり)を
9年分まとめてカテゴリーに分類しています。
一級建築士学科試験/施工分野/内外装工事過去問題まとめ
内外装工事は出題範囲があいまいで、
施工分野の各パートで出題される設問も交じっています。
内壁
1. コンクリート壁下地面におけるせっこうボードのせっこう系直張り用接着剤による直張り工法において、その接着剤の塗付け間隔については、ボード周辺部以外の床上1.2m以下の部分では、200~250mm とした。h22/19
2.コンクリート壁下地面におけるせっこうボードのせっこう系直張り用接着剤による
直張り工法において、特記がなかったので、接着剤の塗付け間隔をボード周辺部で、
150~200mmとした。h28/19
共に正答肢です。
コンクリート下地へのプラスターボードビス間隔について
- ボード外周部は150~200mm
- ボード外周部以外で床から1200mm以下は200~250mm
- ボード外周部以外で床から1200mmより上部は250~300mm
3.軽量鉄骨下地に直接張り付けるせっこうボード張りにおいて、留付け用小ねじの間隔については、壁の中間部で300mm程度とした。h23/18
正答肢です。
4. コンクリート壁下地面におけるせっこうボードのせっこう系直張り用接着剤による直張り工法において、厚さ12.5mm のせっこうボードの張付けに当たり、コンクリートの下地面からせっこうボードの仕上がり面までの寸法を25mm とした。h25/21
正答肢です。
5.軽量鉄骨壁下地において、スタッドに取り付ける振れ止めは、床ランナーの下端から1,400mmごとに設け、上部ランナーの上端から400mm以内については省略した。h26/19
振れ止めは床ランナーから
1200mmごとに設けます。
また上部ランナーから400mm以内に
振れ止めが来る場合は、
省略できます。誤答肢
6. 造作工事において、設計図書に釘の長さの表示のない場合については、打ち付ける板厚の2.5倍以上を標準とする。h24/19
正答肢です。
外壁
1. 外壁乾式工法による張り石工事において、特記がなかったので躯体にファスナーを固定する「あと施工アンカー」については、ステンレス(SUS304)の金属系アンカーを使用した。h25/19
正答肢です。
2.外壁乾式工法による石張り工事の施工図等において、石材の形状と寸法については、特記がなかったので、形状が正方形に近い矩形で、1枚の面積が 0.8m2以下、有効厚さが30mm以上70mm以下であることを確認した。h30/19
正答肢です。
3. 外壁乾式工法による鉛直面への張り石工事において、上下の石材間の目地幅 の調整に使用したスペーサーは、上部の石材の荷重を下部の石材に伝達させるため、工事完了後も存置した。h22/17
4.タイル後張り工法の密着張りにおいて、壁のタイルの張付けは、上部から下部へと行い、一段置きに数段張り付けた後、それらの間を埋めるようにタイルを張り付けた。h22/17
正答肢です。
5.プレキャストコンクリートカーテンウォールの開口部にY型構造ガスケットの使用
に当たり、コンクリート端面からY型ガスケットをプレキャスト版にはめ込むため
の溝の中心までの寸法を、60mm以上とした。h29/19
正答肢です。
6. ロッキング構法によるALCパネル工事において、外壁のパネル間の目地の シーリングについては、三面接着とした。h25/19
誤答肢です。こちらで解説しています。
https://halu-ie.com/gakka-sekou-waterproofing-work/
7.縦壁ロッキング構法によるALCパネル工事において、外壁のパネル間の目地のシーリングについては二面接着とした。h28/19
正答肢です。
8.コンクリート下地へのセメントモルタル塗りにおいて、下地への吸水調整材の塗布
回数を増すことにより、コンクリート下地とモルタルの付着性を高めた。h28/19
厚い膜を形成すると
モルタルが付着しにくくなり、
剥離の原因になります。
そのため吸水調整材は2回までです。誤答肢
9.カーテンウォール工事において、躯体付け金物の取付け位置の寸法許容差については、特記がなかったので、鉛直方向を±10mm、水平方向を±25mmとした。h30/19
正答肢です。
床
1. タイルカーペット全面接着工法において、フラットケーブルについては、タイルカーペットの中央付近に敷設し、フラットケーブルの端とタイルカーペットの端(目地)との間隔を100mm以上とした。h22/19
正答肢です。
2. タイルカーペットを全面接着工法により張り付ける場合は、基準線に沿ってタイルカーペットを押し付けながら、部屋の中央部から端部へ敷き込んでいく。h24/19
正答肢です。
3.床コンクリート直均し仕上げにおいて、ビニル床シートの下地となる床面の 仕上りの平坦さの標準値については、特記がなかったので、3mにつき7mm以下とした。h22/17
4.ビニル床シートを用いた床仕上げ工事における下地については、床コンクリートの直均し仕上げとするに当たり、コンクリートの仕上りの平坦さの標準値を、特記がなかったので、3mにつき7mm以下とした。h30/17
共に正答肢です。
5.ビニル床シートを用いた床仕上げ工事において、下地が床コンクリート直均し仕上げであったので、ビニル床シートの張付けを、コンクリートの打込みから21日後に行うことを確認した。h30/19
コンクリート打ち込み後28日以後の施工とします。誤答肢
6ビニル床シート張りにおいて、シートの継目の熱溶接については、シートを接着剤で張り付け、接着剤が硬化した後に行った。h22/19
正答肢です。
7. 帯電防止ビニル床タイル張りに用いる接着剤は、湿気のおそれのある下地に対して使用するため、エポキシ樹脂系接着剤とした。h26/19
正答肢です。
8.グリッパー工法によるタフテッドカーペットの敷込みにおいて、長い廊下について
は、伸長用工具としてパワーストレッチャーを使用した。h28/19
正答肢です。
9.カーペットのグリッパー工法において、上敷きの敷詰めは、隙間及び不陸をなくす
ように伸長用工具により幅 500mmにつき 200N程度の張力をかけて伸長し、グリッパーに固定した。h29/19
幅300mmにつき200N程度とします。誤答肢
10.フローリング表面の仕上げについては、1液型のウレタン樹脂ワニス塗りとした。h23/18
正答肢です。
11.フローリングボード張りの釘留め工法において、温度変化によるボードの膨張収縮を考慮して、敷居との取合い部分に隙間を設けた。h25/19
正答肢です。
天井
1.軽量鉄骨天井下地工事において、JISによる建築用鋼製下地材を使用する場合、高速カッター等による切断面については、亜鉛の犠牲防食作用が期待できるので、錆止め塗料塗りを行わなくてもよい。h24/19
正答肢です。
2. 化粧せっこうボード張りの軽量鉄骨天井下地の吊りボルトの間隔については900mm程度とし、天井の周辺部については端から150mm以内に配置した。h25/19
正答肢です。
3. システム天井において、天井パネルにロックウール化粧吸音板を用いるので、軟化を防止するため、工事中の室内湿度は80%を超えないようにした。h26/19
正答肢です。
4.システム天井において、天井パネルにロックウール化粧吸音板を使用したので、吸
音板の軟化を防止するため、工事中の室内湿度が 80%を超えないようにした。h29/19
正答肢です。
特定天井
1. 既存建築物の特定天井に該当する既存の天井を耐震化する必要があったが、 天井下地の補強が困難であったため、既存の天井が破損しても落下しないようにネット張りにてその対策を行った。h27
正答肢です。
2. 仕様ルートの適用による検証を行った特定天井においては、天井面構成部材と壁及び柱との隙間を6cm 以上とした。h27/19+h30/19
正答肢です。
3. 宴会場に新設する天井について、床からの高さが10mでその天井水平投影面積が600m2であったが、天井(天井面構成部材等)を単位面積質量が1.5kg/m2の膜天井とし、特定天井としなかった。h27/19
4. 音楽堂のホワイエに新設する天井について、床からの高さが8mでその水平投影面積が400m2、天井 (天井面構成部材等)の単位面積質量が10kg/m2であったが、ホワイエが避難階にあり非常口が隣接するための緩和措置を通用し、特定天井としなかった。h27/19
問3は正答肢、問4は誤答肢です。
特定天井となる条件
- 日常人が立ち入る場所である
- 高さが6mを超える天井の部分で、かつ面積が200㎡を超える
- 天井材の単位面積当たり重量が2kg/㎡を超える
あと特定天井を回避する緩和措置はありません。
塗装工事
1. 金属製の手摺の塗装工事において、2液形ポリウレタンエナメル塗り(2-UE)としたので、有害物質による労働災害を防止するとともに環境への影響を考慮して、安全データシート(SDS)を作業場所に掲示した。h26/19
正答肢です。
2. 塗装工事において、けい酸カルシウム板面の素地ごしらえについては、穴埋めやパテかいを行った後に、吸込み止めとして反応形合成樹脂ワニスを全面に塗った。h22/19
ワニスを前面に塗った後
穴埋めやパテをするので順番が逆です。
誤答肢
3.コンクリート面の着色塗装仕上げについては、水による希釈が可能で、溶剤揮散による空気汚染や中毒の危険性が低い合成樹脂エマルションペイント塗り(EP)とした。h23/18
4.塗装工事において、屋外に露出する亜鉛めっき鋼面への錆止め塗料塗りについては、鉛酸カルシウムさび止めペイントを使用した。h22/21
5. 塗装工事において、屋外に露出する鉄鋼面への錆止め塗料塗りについては、鉛・クロムフリーさび止めペイントを使用した。h27/21
6.塗装工事において、屋外に露出する亜鉛めっき鋼面への錆止め塗料塗りについては、特記がなかったので、一液形変性エポキシ樹脂さび止めペイントを使用した。h30/21
全て正答肢です。
屋内外の鉄や亜鉛メッキに使用
※鉛・クロム使用のものは現在完全廃止されているようです。
- 合成樹脂調合ペイント/SOP
- 鉛酸カルシウムさび止めペイント
- 変性エポキシ樹脂プライマー
- シアナミド鉛錆止めペイント
コンクリート・モルタル・プラスターボード・木に使用
- 合成樹脂エマルジョン塗料/EP
断熱工事
1.木造軸組構法の壁の充塡断熱工法(はめ込み工法)における防湿層の設置については、
ポリエチレンフィルムの防湿層の継目を柱等の木下地部分に設け、その重ね幅を
30mm以上とした。h29/19
正答肢です。
2.吹付け硬質ウレタンフォームによる断熱現場発泡工法において、吹付け厚さの許容誤差については、±10mmとした。h23/18
0~+10mmとなっていて
断熱が薄いところがあるのは一切駄目、
ということになっています。誤答肢
3.鉄筋コンクリート造の建築物における断熱工事の断熱材打込み工法において、型枠
取り外し後にフェノールフォーム保温材が欠落している部分を発見したので、その
部分のコンクリートをはつり取り、断熱材現場発泡工法により隙間なく補修した。h28/21
正答肢です。
4.現場発泡工法による断熱工事において、総厚さ 30mmの吹付け硬質ウレタンフォー
ム断熱材の吹付け方法については、厚さ5mm以下で下吹きを行った後、発泡体表
面が平滑になるよう、多層吹きとした。h28/21
正答肢です。
その他
1. JIS及びJASにより定められているホルムアルデヒド放散量による等級区分 どの表示記号は、「F☆☆☆☆」より「F☆」のほうが放散量は小さく、「F☆」は使用規制の必要がないものである。h24/19
「F☆☆☆☆」の方が「F☆」より
ホルムアルデヒド放散量は少なく安全です。
(といっても「F☆☆☆☆」以外のものを
見たことがありません。)誤答肢
7.モルタル塗りにおいて、1回に練り混ぜるモルタルの量については、60分以内に使い切れる量とした。h22/17
正答肢です。
一級建築士学科試験の施工分野9年分の過去問題をまとめました。他の設問へもこちらからリンクできます。
https://halu-ie.com/gakka-sekou-roundup-article/
また一級建築士試験の施工分野の出題傾向と、私が過去問題での学習を勧める根拠をまとめています。こちらもご覧ください。
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設問19/内外装工事
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