この記事では一級建築士学科試験で
毎年出題されている木工事の設問(問15あたり)を
9年分まとめてカテゴリーに分類しています。
一級建築士学科試験/施工分野/木工事過去問題まとめ
RC造、S造の設問と比べると
非常に簡単な設問が多い印象です。
特に
同じ設問内容の誤答肢の再利用率が高い
(金物名称や木表・木裏、構造用合板の耐力壁の隙間など)
です。
このパートが苦手という人がいれば
誤答肢を中心に学習しておきましょう。
金物
1. 垂木の軒桁への留付けは、かど金物を当て、釘打ちとした。h22/15
記述は“ひねり金物”です。誤答肢
2. 建築物の出隅にある通し柱と胴差との仕口は、「傾ぎ大入れ短ほぞ差し」とし、 かね折り金物当て六角ボルト締め、スクリュー釘打ちにより補強した。h22/15
正答肢です。
3. 筋かいを設ける耐力壁下部のアンカーボルトは、その耐力壁の両端の柱心から200mm程度離れた位置に埋め込んだ。h22/15
正答肢です。
4. 土台に使用する木材については、継ぎ伸しの都合上、やむを得ず短材を使用する必要があったので、その長さを1m程度とした。h22/15
正答肢です。
5. 土台を基礎に緊結するため、径12mm のアンカーボルトを、250mm 埋め込むこととした。h24/15
正答肢です。
6. 造作材に使用する JIS規格品の「Nくぎ」の代用品として、「FNくぎ」を使用した。h26/15+h30/15
FNくぎは“梱包用釘”です。
建築用ではありませんので代用できません。誤答肢
7. 構造用合板による大壁造の耐力壁において、土台と柱とを山形プレートで接合する箇所については、構造用合板を切り欠き、近傍に釘を増し打ちした。h27/15+h30/15
正答肢です。
8. 構造用合板等の面材を併用しない耐力壁において、壁倍率2.0に適合させるために、
30mm×90mm(柱三割)の木材を片筋かいとし、その端部を筋かいプレートBP-2で柱と土台に緊結した。h27/15
BP-2の金物を利用する場合、
筋交いは厚さ45mm以上、
幅90mm以上必要です。誤答肢
9.ボルト径が 16mmの孔あけ加工は、特記がなかったので、ボルトが木部のボルト
孔に密着するように、ボルト孔の径をボルト径に 2.0mmを加えた大きさとした。h29/15
正答肢です。
10.軸組構法(壁構造系)において、基礎と土台とを緊結するアンカーボルトの埋込み位置の許容誤差を、±5mmとした。h30/15
正答肢です。
h23/15 イラスト問題(イラストは私が描いていますので本試験と若干異なります)
- 1.接合金物 イ / かど金物
- 2. 接合金物ロ / 羽子板ボルト
- 3. 接合金物 ハ / ひねり金物
- 4. 接合金物二 / ホールダウン金物(引き寄せ金物)
1のイラストは“かね折り金物”です。
かど金物は下記画像の形状です。
よって1が誤答肢
h28/13イラスト問題
(イラストは私が書いていますので本試験と多少異なります)
4が誤答肢です。イラストは“ひねり金物”です。
“折曲げ金物”と同じ用途で、
垂木と軒桁又は母屋の接合に使います。
それと、
根太と大引きの接合部を金物で行う場合は
“梁受け金物”を利用します。
木工事施工
1. 敷居及び鴨居の溝じゃくりについては、木裏において行った。h24/15
木は木裏側に凸になるので、
木裏にしゃくりを入れると建具が詰まって
動かなくなる場合もあります。誤答肢
2. 木材の筋かいと間柱との取合い部分については、間柱を筋かいの厚さだけ欠き取り、釘2本を平打ちした。h24/15
正答肢です。
3. 木造軸組工法の住宅における大壁造の面材耐力壁において、1階と2階の下同位置に構造用面材による耐力壁を設けたので、胴差部の上下の構造用品材については、相互間の隙間がないように釘留めとした。h25/15
6mm以上の隙間を設けます。誤答肢
4. 2階床ばりの継手を追掛け大栓継ぎとするので、その継手については、上木先端部が柱心より150mm 内外となるように下木を持ち出した。h27/15
正答肢です。
5. 1階床組みを束立て床とするので、木材の床束の束石からの移動や浮き上がりを防止するため、床束に根がらみを添え付けて釘打ちした。h27/15
正答肢です。
6.桁に使用する木材については、継伸しの都合上、やむを得ず短材を使用する必要があったので、その長さを2m内外とし、継手部分は短ざく金物で補強した。h29/15
正答肢です。
なるべく短材が出てこないようにするのが原則
ですが、仕方がない場合金物で補強します。
7.建方精度の許容値は、特記がなかったので、垂直の誤差の範囲を1/1,000以下、水平の誤差の範囲を1/500以下とした。h29/15
垂直・水平共に1/1000以下とします。誤答肢
8. 木造軸組工法の住宅における床組において、フローリング張りの下張り用床板を受ける根太の間隔を、303mm とした。h25/15
正答肢です。
9. 鉄筋コンクリート造の建築物における内部工事の間仕切壁の軸組において、
厚さ12.5mm のせっこうボードを使用したので、胴縁の間隔を303mm とした。h25/15
正答肢です。
10.鉄筋コンクリート造の建築物の内装工事において、建具枠や間仕切り壁下地を留め付けるための「木れんが」については、樹種をひのきとし、コンクリート面に「あと施工アンカー」により取り付けた。h26/15
正答肢です。
木の防腐・防蟻処理
1.地表面から高さ1m以下の外周壁内及び水まわり部分に接する壁内における柱、間
柱、筋かい、構造用面材及び胴縁類には、特記がなかったので、JIS規格品の表面処理用木材保存剤を塗布した。h29/15
2. 地表面から高さ1m以下の外周壁内及び水まわり部分に接する壁内における柱、間柱、筋かい、構造用面材及び胴縁類には、木材保存処理材を用いた。h24/15
共に正答肢です。
3. 鉄筋コンクリート造の建築物における内部工事の下地材として使用する木材について、
代用樹種の使用が認められていたので、すぎの代わりにべいつがを使用した。h25/15
正答肢です。
4. 造作材にラワン材を使用するに当たり、ヒラタキクイムシの食害の対策として、JAS による保存処理K1の防虫処理を行ったものを使用した。h26/15
正答肢です。
5. 木造軸組工法における土台に用いる木材については、耐腐朽性・耐蟻性に優れている「たも」の製材とした。h23/21
“たも”はとても硬いですが、
耐腐朽性・耐蟻性には優れていません。
記述内容に近いのはクリやアピトン
などが該当します。誤答肢
その他
1.現場における木材の含水率の測定に当たり、測定箇所については、1本の製材の異なる 2面について、両小口から300mm以上離れた2箇所及び中央部1箇所とし、計6箇所とした。h30/15
正答肢です。
2.工事現場における木材の含水率の測定を、電気抵抗式水分計がなかったため、高周波水分計を用いて実施した。h26/15
正答肢です。
測定には電気抵抗式水分計
または高周波水分計を使用します。
一級建築士学科試験の施工分野9年分の過去問題をまとめました。
他の設問へもこちらからリンクできます。
https://halu-ie.com/gakka-sekou-roundup-article/
また一級建築士試験の施工分野の出題傾向と、私が過去問題での学習を勧める根拠をまとめています。こちらもご覧ください。
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設問15/木工事
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