一級建築士学科/施工分野/過去問集

一級建築士学科試験/施工分野/プレキャストコンクリート工事

一級建築士学科試験/施工分野/プレキャストコンクリート工事問題過去問題まとめ

施工分野で毎年問12に出てくるプレキャストコンクリート工事の問題を9年分集めて、だいたい工程順になるように整理しました。
また、プレキャストの製造工程を動画で確認してから学習に入ると頭に入りやすくなると思い、わかりやすく解説している動画を引用しました。

参照:https://www.youtube.com/watch?v=q6dHxuayJEk

プレキャスト設計時,製造時

1.供用期間の級が「標準」の建築物において、プレキャスト部材の屋外側の鉄筋に対するコンクリートの設計かぶり厚さは、特記がなかったので、柱・梁・耐力壁については45mm、床スラブ・屋根スラブについては35mmとした。h30/12

2、計画供用期間の級が「標準」の建築物において、プレキャスト部材の屋内側の鉄筋に対するコンクリートの最小かぶり厚さは、柱・梁・耐力 30mm、床スラブ・屋根スラブについては20mm とした。h26/12

3.プレキャスト部材の接合用金物のアンカー筋に対するコンクリートの設計かぶり厚さについては、特記がなかったので、部材製造時の精度や施工時の誤差を考慮し、必要な最小かぶり厚さに5mmを加えた値とした。h28/12+h24/12

※全て正答肢です。

プレキャスト部材の鉄筋のかぶり厚さ

近年の出題は計画供用期間が「標準・長期」の建築物の場合しか出ていません。

  • 構造部材で柱・梁・耐力壁の屋内側は30mmその他(床・屋根スラブ・非構造部材)は20mmを覚える
  • 屋外側はより耐久性が必要だから+10mmと覚える
  • 屋外を耐久性の高い仕上げをする場合は屋内側と同じかぶり厚さにできる(超長期は除く)
  • 直接土に接する部分は40mm必要

4.寒冷地において、凍結融解作用を受けるおそれがあったので、プレキャスト部材に使用するコンクリートにAE剤を用いた。h24/12

5.プレキャスト部材に用いるコンクリートの空気量については、凍結融解作用を受けるおそれがあるので、目標値を3.0%とした。h26/12

※凍結融解作用を受けるおそれがある場合、コンクリートにAE剤を混入する、空気量を増やす等の対策を施します。空気量は通常は目標値を3%にしますが、凍結融解作用を考慮する場合は4.5%を目標値として監理者の承認を受けるようにします。というわけで4は正答肢、5は誤答肢です。

6.プレキャスト部材を現場打ちコンクリートに接合する部分については、現場打ちコンクリート部分の精度に影響されるため、「プレキャスト部材の位置の許容差」を、特記がなかったので、「現場打ちコンクリート部分の位置の許容差」と同じ値とした。h30/12+h28/12+h25/12

※出題傾向の高い設問です。プレキャストだともっと高い精度でも製造できますが、接合部は結局現場打ちコンクリート側の精度の影響を受けるので、プレキャスト側も現場打ち部分の位置の許容差と同じ許容差±20mmとします。正答肢です。

7. プレキャスト部材間の目地のシーリングについてーリングについては、特記がなかったので、 シーリング材の充填深さを15mmとした。h27/12

※シーリング充填深さは10mm以上とします。よって正答肢

8. プレキャスト部材の柱脚部において、鉄筋のスリーブ継手のグラウト材の充填度については、1か所の注入口から注入したグラウト材が、すべての排出口からあふれ出たことを目視により確認した。h25/12

正答肢です。

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プレキャスト養生時

1. プレキャスト部材の製造に当たり、コンクリートの加熱養生において、前養生時間を3時間とし、養生温度の上昇勾配を20°C/hとした。h26/12

2.プレキャスト部材の製造に当たり、コンクリートの加熱養生において、前養生時間を3時間とし、養生温度の上昇勾配を15°C/hとした。h29/12

3.高強度コンクリートを用いて部材厚の大きなプレキャスト部材を製造するに当たり、セメントの水和熱を考慮し、加熱養生を計画した。h24/12

※全て正答肢です。一般に3時間ほど前養生をしてから加熱養生を開始します。その際の温度上昇勾配は15℃~20℃程度とします。ただし高強度コンクリートで部材厚さのあるコンクリートを製造する場合は、内部に大きな水和熱が生まれるため加熱養生を行わない場合もあります。

プレキャスト製造工場による検査

1. 部材製造工場におけるコンクリート打込み前の配筋検査は、配筋図との照合及びかぶり厚さについて全数実施した。h23/12

正答肢です。配筋図との照合と目視で鉄筋径や本数、間隔、かぶり厚さについて全数実施します。

2.プレキャスト部材の接合部に用いるスリーブ継手については、施工後に超音波探傷試験等の非破壊試験により品質検査を行うことが困難なため、各段階において材料や施工について厳密に品質管理・検査を行った。h22/12

正答肢です。

3.プレキャスト部材の組立精度の検査は、柱・壁の垂直部材と梁・床の水平部材とも、それぞれ±10mmを判定基準として行った。h30/12

4. プレキャスト部材の組立精度の検査は、特記がなかったので、柱・壁の垂直部材と梁・床の水平部材とも、それぞれ土8mmを判定基準として行った。h27/12

5.プレキャストの梁部材及び床部材の組立て精度の検査については、仮固定完了後、次の部材が組み立てられる前に行い、建込み位置及び天端の高さが基準の土5mm以下の部材を合格とした。h22/12

6.プレキャスト部材の非耐力壁の対角線長差の許容差は、特記がなかったので、5mmとして製品の寸法精度の管理を行った。h27/12

※問3、問4は誤答肢、問5、問6は正答肢です。プレキャストの梁・床・柱・耐力壁部材の組立て精度は建込み位置及び天端の高さの判定基準は±5mm以下とします。対角線長差の判定基準も5mm(耐力壁は10mm)です。

7. 部材製造工場における脱型時の部材コンクリートの圧縮強度は、部材の製造場所において採取し、標準養生を行った供試体の圧縮強度試験の結果により確認した。h23/12+h28/12

8.プレキャスト部材の製造に当たり、板状のプレキャスト部材の脱型時所要強度については、脱型時にベッドを 70~80度に立て起こしてから吊り上げる計画としたので、コンクリートの圧縮強度を5N/mm2とした。h29/12

9.プレキャスト部材の脱型時所要強度については、脱型時にベッドを傾斜させないで部材だけを片側から立て起こす計画としたので、12N/mm2 とした。h26/12

※標準養生はコンクリートにとって理想的な環境での養生方法です。しかし、それでは製造した製品の状態と開きがあります。ですので、製品と同じ養生方法で圧縮強度を確かめなければなりません。また脱型時に必要な強度は、ベッドを傾斜させないで片側から起こす場合は12N/mm2、ベッドを70~80°まで立て起こしてから吊り上げる場合は8~10N/mm2必要です。よって問7、問8は誤答肢、問9は正答肢となります。

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現場受入れ検査

1. 工事現場における部材の受入れ検査において、部材の形状寸法については、
部材製造工場の検査済の表示を確認し、計測を実施しなかった。h23/12

2.プレキャスト部材の現場受入れ時の検査において、製造工場における製品検査に合格した部材であっても、運搬中に起こり得るひび割れ、破損、変形や先付金物の状態等を確認した。h30/12

3.プレキャスト部材の現場建込み時の組立て精度の検査は、仮固定完了後、次の部材が組み立てられる前に行った。h25/12

4.工事現場における部材の受入れ検査において、特殊な形状へ特に注意を要する部材については、搬入車両の車上から降ろし、専用の架台に仮置きして実施した。h23/12

※プレキャスト製品の品質自体は部材製造工場で十分検査されているので、受入れ時の検査は工場による検査済みの表示を確認するほか、運搬中に生じたひび割れや破損、その他変形などないかの確認を目視で確認します。また特殊な形状など注意を要する部材は、車上から降ろし、専用架台に載せて入念に検査します。よって全て正答肢

5. プレキャストコンクリート部材の運搬・揚重・保管について、搬入される部材を、直接、運搬車より組立て用クレーンで吊上げて組み立て、悪天候により作業ができない場合には荷降しのみとし、現場内に仮置きするという施工計画書の提出を受けた。h27/1

正答肢です。

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現場での施工・保管等

1. 外部に面する部分に、幅0.10mm 以下の貫通しているひび割れがあるプレキャスト部材については、外壁性能上支障がないと判断し、初期補修用プレミックスポリマーセメントペーストによる補修を行ったうえで使用した。h27/12+h22/12

正答肢です。

2.工事現場において、プレキャスト部材と現場打ちコンクリートとの接合部について
は、コンクリートの打込みに先立ち、豆板等の欠陥を防止するため、散水してせき
板及びプレキャスト部材の接合面を湿潤状態にした。h29/12

3. プレキャスト部材と現場打ちコンクリートとの接合部については、豆板等の欠陥を防止するため、コンクリートの打込みに先立ち、打込み箇所を清掃して、部材の接合面を乾燥状態にしてコンクリートを打ち込んだ。h22/12

※部材の接合面は湿潤状態にしておかないと、接合されたコンクリート部分の水分が奪われて豆板等の欠陥が起きやすくなります。よって問2は正答肢、問3は誤答肢

4.工事現場において、プレキャスト部材のエンクローズ溶接継手については、溶接後の鉄筋の残留応力を小さくするため、同一接合部の溶接作業を連続して行った。h29/12

正答肢です。ちなみに溶接作業は建築物の中央から外側に向かうように進めるのが一般的です。

5. プレキャスト部材の耐力壁の水平接合部には、壁厚さと同じ幅で、かつ、レベル調整材と同じ高さに敷モルタルを敷き込み、壁部材を建て込んだ。h25/12

※敷モルタルはレベル調整材より高めに敷きこみ、壁部材が建て込んだときに接合部からはみ出るようにします。はみ出た部分は内側に押し込みながら除去します。よって誤答肢

6.プレキャスト部材の積み重ねの数を、床部材は8枚まで、柱部材は平置きで4段までとすることを計画した。h24/12

7.工事現場において仮置きするプレキャストの柱部材の積み重ねの数は、安定性を考慮して、平置きで2段までとする計画とした。h28/12

※平置き保管は床部材は6枚程度、柱部材は2段までとします。またまくら木は2本を原則とします。よって問6誤答肢、問7正答肢

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リンク

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