一級建築士学科試験/計画/都市・都市計画・論文名称過去問まとめ

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H29は2問出題されましたが、

いずれも過去問が誤答肢となっていました。

まずは過去問を抑えておきたいです。

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目次

一級建築士学科試験/計画/都市名・都市計画・論文名称設問の過去問題まとめ

日本

・高蔵寺ニュータウン(愛知県)は、高度経済成長期に名古屋圏に流入し、増加した人口の受け皿として、「近隣住区」等の都市計画理論に基づき開発された我が国で最初のニュータウンである。H28問10

近隣住区の単位とはせずに

ワンセンター方式にしたのが特徴。

近隣住区の単位は小学校1校必要な程度の人口を

一つの単位としていて、

その周囲を幹線道路で取り囲む形態のため

小さな細胞が寄り集まって大きな町が

できていくイメージですが、

ワンセンター方式は中心に集約させて

周りに広げていくイメージです。誤答肢

・筑波研究学園都市(茨城県)は、東京への一極集中を緩和するために、職住一体の「田園都市」として構想されたものである。H28問10

正答肢です。

筑波研究学園都市の目的は東京への一極集中の緩和と

科学技術の振興と高等教育の充実です。

田園都市はE・ハワードによって提唱されました。

田園都市は都市から少し離れ、

経済活動や食糧の自給をはじめとして

自立的で独立した都市を作りながらも孤立しないように

他の田園都市や都市に移動する交通を

発達させていくのが特徴です。

・川越一番街(埼玉県)では、「パタン・ランゲージ」に範をとった町づくり規範により、歴史的町並みの景観の保全が実践されている。H28問10

現代の都市のような画一的な街にするのではなく、

これまでの地域の歴史を守りながら

都市を変化させていくため、

住民主導によって景観保全のための

協定が結ばれています。正答肢

・鹿児島県南九州市の知覧では、「パタン・ランゲージ」に範をとったまちづくり
規範により、明治時代の大火からの復興によって形成された、蔵造りの歴史的町並み景観の保全が実践されている。R2問11

文章は先ほどの川越一番街(埼玉県)が該当します。

鹿児島県南九州市の知覧には武家集落群があり、

重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

公式サイトもありました。誤答肢

・くまもとアートポリス(熊本県)は、環境デザインに対する関心を高め、都市環境・建築文化などの向上を図るために、「コミッショナー」が設計者を推薦する手法が採用された事業である。H28問10

公共性の高い建築物の設計を、

県の入札ではなくコミッショナーとなった

建築家の推薦で決められるのが特徴です。正答肢

・丹下健三研究室による[東京計画1960]は、求心・放射型の都市構造の閉鎖性を否定し、都市軸の概念を導入することによって開放的な線形発展を可能にするという都市構造の提案である。H25問10

・丹下健三の[東京計画 1960]においては、人口の過剰集中による諸問題に対し、東京湾を全面的に埋め立て、放射状の都市構造をつくりだす提案をした。H29問10

都市の中枢機能を[放射状]ではなく[線状]に

拡張できるという提案でした。

よってH25問10は正答肢、H29問10は誤答肢

・後藤新平らが主導した関東大震災からの[帝都復興事業]においては、鉄筋コンクリート造により不燃化・耐震化した復興小学校を建設し、隣接して小公園を整備した。H29問10

正答肢です。

・青森県黒石市では、中町の「こみせ」と呼ばれる降雪や日差しを避けて通れるようにした木造の軒下の歩廊が続く町並みを、伝統的建造物群保存地区に指定し、保存に取り組んでいる。R2問11

正答肢です。こみせはコチラに情報があります。

・静岡県掛川市では、「生涯学習都市宣言」を行い、その一環として官民が協力し、地区計画を定めて掛川城の城下町としての歴史を活かした城下町風まちづくりを推進している。R2問11

正答肢です。

・岡山県倉敷市では、本瓦葺塗屋造りの町屋、土蔵造りの蔵、白漆喰になまこ塀が建ち並ぶ倉敷川畔を「美観地区」とし、景観の保全を図っている。R2問11

正答肢です。ちなみに岡山倉敷のアイビースクエア、美観地区は試験問題にたびたび登場してますね。

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海外

・クリストファー・アレグザンダーは、著書[パタン・ランゲージ(A Pattern Language)](1977年)において、都市空間における人々の行動がツリー構造で説明できることを示した。H24問5

・クリストファー・アレグザンダーは、パタン・ランゲージ(A Pattern Language)」において、過去の事例から導きだされた都市や建築を形づくるための基本的な原則を示した。H29問4

著書で都市空間はツリーではないとし、

近代の建築家が計画した人工都市(ツリー構造)と

長い年月の中で生まれる自然都市は全然違うとし、

近代の都市空間を批判しました。

よってH24問5誤答肢、H29問4正答肢

・フランスの首都であるパリは、城壁を取り除いた跡に環状のブールヴァールを作り、それに放射状の幹線を追加して、交通の利便性の向上と都市景観の形成を図る計画案に基づいている。H25問9

正答肢です。

・フランソワ・ミッテランらが主導したパリの都市計画である[グラン・プロジェ]に
おいては、フランス革命 200年を記念して、ルーブル美術館の大改修やオルセー駅
舎の美術館への転用等、拠点整備による都市の再生を進めた。H29問10

正答肢です。別名[大統領のプロジェクト]とも言われたそうです。

・オーストラリアの首都であるキャンベラは、三つの都市機能(中央官庁街、市政庁、業務商業機能)を三角形の頂点に相当する位置に配置して都心部を構成し、その外側を郊外住宅地とする計画案に基づいている。H25問9+H22問10

正答肢です。

・ブラジルの首都であるブラジリアは、ジェット機形の平面形状をもち、機体の胴体に相当する部分を住居地域、翼に相当する部分を政治的中枢地域とする計画案に基づいている。H25問9

・ブラジルの首都であるブラジリアは、ジェット機形の平面形状をもち、機体の胴体に相当する部分を政治的中枢地域、翼に相当する部分を住居地域とする計画案に基づいている。H22問10

なにもない未開の地にルシオ・コスタによって計画されました。

まさしくジェット機形です。

胴体の部分に政治的中枢、翼部分に

高層住居が配置されています。

よってH25問9誤答肢、H22問10正答肢

・アメリカの首都であるワシントンD.C.は、ポトマック川から国会議事堂に至る軸に抽象的な役割を持たせ、格子状街路に放射状街路を組み合わせた計画案に基づいている。H25問9

フランス人都市計画家の

P.C.ランファンの原案による計画です。正答肢

・ル・コルビュジエの[パリのヴォワザン計画]においては、一部の歴史的建造物を保
存しつつ、古い街区や建築物を大規模に取り壊し、幹線道路等を整備したうえで、
超高層ビルに建て替える提案をした。H29問10

正答肢です。

超高層ビルをグリッドで配置し、

空いたスペースに緑を植えていく計画でした。

・ル・コルビュジェによる[輝く都市]は、地表面を開放し、空中に持ち上げた高層建築と道路の機能区分の明瞭さが特徴的な都市の再開発計画の提案である。H25問10

正答肢です。

実現しませんでしたが、スケッチは未来を感じさせる計画でした。

・インドのパンジャブ州都であるチャンディガールは、格子状に分割した区域(ユニット)と7段階に機能分けした道路網からなる計画案に基づいている。H22問10

ル・コルビュジェらの計画で

唯一実現できた都市計画です。正答肢

・バックミンスター・フラーによる[ジオデシック・ドーム]は、地球上の都市域が連担し、地球全体が都市のネットワークによって覆われるという世界都市を示す概念の提案である。H25問10

記述はギリシャの都市計画家である

C.A.ドクシアデスによる[エキュメノポリス]です。

ジオデシック・ドームは巨大なドーム状の

構造物でモントリオール万博博物館の実施例があり、

都市計画と直接的には関係ありません。誤答肢

・T・ガルニエによる[工業都市]は、住居地域を緑地帯によって工業地域から分離させたものであり、生活と労働の両面に対応した近代性を備える都市の提案である。H25問10

正答肢です。住居地域と工業地域を緑で分離させることで

生活、労働の両面共に良いんじゃないかという提案です。

・ケヴィン・リンチは、著書「都市のイメージ(The Image of the City)(1960年)において、都市空間から抽出されるイメージを構成する要素として、移動路(path)、境界(edge)、地区(district)、結節点(node)、目印(landmark)の五つを提示した。H24問5

・ケヴィン・リンチは、都市のイメージ(The Image of the City)」において、ラスベガスの都市景観の多様な空間要素を記号論的な視点から分析した。H29問4

“人が感じる都市というイメージは

上記の5つの構成要素で感じられるため、

この要素を抑えた都市にすることで

人に安心感や愛着をもってもらえるのでは”

という提案です。

[ラスベガスの都市~]はロバートヴェンチューリの著書です。

よってH24問5は正答肢、H29問4は誤答肢です。

・ロバート・ヴェンチューリは、著書「ラスベガス(Learning from LasVegas)](1972年)において、ラスベガスの都市景観の多様な空間要素を記号論的な視点から分析した。H24問5

正答肢です。

装飾を排除した近代的な建築物

(建築家が装飾を排除しようとする姿勢)を

批判していました。

・レム・コールハースは、錯乱のニューヨーク(Delirious New York)」において、主としてマンハッタンの超高層建築物がつくりだした過密の文化」に着目し、マンハッタニズム」と定義した。H29問4

正答肢です。

・ゴードン・カレンは、著書[都市の景観(The Concise Townscape)](1971年)において、都市の景観の価値を、歩行者によって体験されるシークエンスの中に見出そうとした。H24問5

歩くことで刻々と変化する景色が

多様性がある都市に価値が生まれるという提案です。正答肢

・ロンドンの北方に位置するミルトン・ケインズは、イギリス最大級のニュータウンであり、近隣住区論による空間構成を忠実に具体化した計画案に基づいている。H22問10

近隣住区という単位に分割するのではなく

環境住区という単位で構成されています。誤答肢

ジェイン・ジェイコブズは、アメリカ大都市の死と生(The Death and Life of Great American Cities)」において、都市の街路や地区に多様性を生みだす四つの条件を示した。

正答肢です。一般的な都市計画論を批判していました。

映画にもなっています。

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計画分野では、他の項目の過去問題についても網羅しながら解説していますので合わせてご覧下さい。

https://halu-ie.com/gakka-keikaku-kakomon-matome/

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