一級建築士学科/計画分野/過去問集

一級建築士学科試験/計画/パッシブデザイン過去問まとめ

一級建築士学科試験で出題されるパッシブデザインの問題をまとめました。

ここでは環境分野でも出てくる

パッシブデザインや計画についての設問を集めています。

パッシブデザインとは

・パッシブデザインは、建築物自体の配置・形状、窓の大きさ等を工夫することにより、建築物内外に生じる熱や空気や光等の流れを制御し、暖房・冷房・照明効果等を積極的に得る手法をいう。R1問1

正答肢です。

日照利用、日射遮蔽

・十分な日照が得られる北緯35度の地点において、建築物が受ける日射量は、冬季においては南面が多く、夏期においては水平面・東西面が多いことから、集熱窓を南面で大きく、東西面で小さくすることが省エネルギー上有効である。
H28/問6

※夏場の朝日夕日は強烈です。

パッシブデザインを謳う住宅は

たいがい東西方向に長い建物くつくり、

南面には大開口の窓を設けて

冬季の日照をできるだけ多く取り込み、

東西面には窓が全くないか

最小限しか設けていないものがほとんどです。正答肢

・ライトシェルフは、窓中段部に設置した庇により、庇下部の窓面からの日射を遮蔽しつつ、庇上部の拡散ガラスなどを用いた窓面から室内に自然光を導く手法である。
H26/問5

※ABC商会に”ライシェル”という商品があります。

製品紹介ページの画像の中で

原理と施工事例があり

わかりやすかったので引用します。正答肢

ライシェル参照:株式会社ABC商会サイト

 

・一般に外側ブラインドは、内側ブラインドに比べて、冷房負荷を削減することができる。H27/問6

・外気に面する窓に設けるブラインドは、窓の室内側に設ける場合より室外側に設ける場合の方が、冷房負荷を低減することができる。
H23/問4

※普通単板ガラスに内側ブラインドを設けた場合の

ガラスの日射侵入率(日射熱取得率)は

0.4倍なのに対して、

外側ブラインドを設けた場合は

0.17倍とぐっと日射侵入(日射熱取得)が

少なくなります。正答肢

・パッシブクーリングの原則は、日射熱の侵入を極力排除したうえで通風を図り、自然エネルギーの利用により室内空気を冷やすことである。
H28/問6

※パッシブクーリングなんていってますが

機械設備の使用を最小限にして

涼をとりましょうということで、

日射熱の侵入を防ぎ、

散水による蒸散効果で建物周辺の、

通風によって室内の熱を逃がしましょう、

その程度です。正答肢

・我が国において、建築物の開口部に水平の庇を設ける場合、一般に、夏期における日射遮蔽効果は、南面より西面の方が大きい。
H27/問6

※東西方向の庇は

太陽高度が低い時から陽が入ってくるので

あまり効果がありません。

一方南面は太陽高度が

十分に上がってから陽が当たりだすので、

効果が高いです。誤答肢

・自然エネルギーを利用した建築物のパッシブデザインにおけるパッシブヒーティングの原則に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1、建築物の断熱・気密性能を高める。
2、建築物の集熱性能を高める。
3、建築物の日射遮蔽性能を高める。
4、建築物の蓄熱性能を高める。      H26/問4

※パッシブヒーティングは機械設備を最小限にして冬季の熱を室内にとりこみましょう、といっているので、日射遮蔽してはいけませんね。正答は3

目次に戻る 

通風

・重力換気は、建築物に設けたボイド内の温度差を利用したものであり、ボイドの下部に排気口、ボイドの上部に給気口を設けることが望ましい。
H27/問5

※暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ移動するので、下に給気、上に排気を設けて上昇気流を産み出して換気をするのが基本です。誤答肢

・市庁舎において、空調設備への依存を低減しつつ快適な環境をつくりだすために、屋上を緑化したり、風の道を確保する計画とした。
H22/問16

※沖縄県の名護市庁舎そのものの説明ですね。正答肢

・越屋根は、切妻屋根等の棟の一部に設けられた小屋根又はその下の開口部を含めた部分をいい、当該開口部から自然換気や採光が期待できる。R1/問6

正答肢です。

屋根の上に少し小さめにポコッと

乗っかったような屋根ですね。

天窓よりも水仕舞いが良いのと、

南面に設置した場合でも夏場の日射が幾分遮れます。

画像で見たい方はコチラからどうぞ。

目次に戻る 

蓄熱・蓄冷

・コンクリート躯体を蓄熱体として利用するためには、「外断熱とすること」、躯体を直接室内に露出させること」等が有効である。H28/問6

コンクリート躯体を蓄熱体として利用するためには、「外断熱とすること」、「開口部からの日射を直接コンクリート躯体に当てること」、「コンクリート躯体を直接室内に露出させること」等が有効である。R1/問6

※内断熱(コンクリートの内側面に断熱)をすると蓄熱した熱が断熱材によって室内に入ってこないため、蓄熱体として利用するのは難しくなります。共に正答肢

・ダイレクトゲインは、窓から入社する日射熱を蓄熱体に蓄熱させ、日射が少ない時間帯に放熱させ暖房効果を得る方式であり、蓄熱体の熱容量を大きくすることが望ましい。
H27/問5

※蓄熱体の熱容量が大きいほど、夜間寒くなってからも長く熱を出してくれるので良いですね 正答肢

・事務所ビルにおいて、空調負荷の低減を図るために氷蓄熱システムからの冷風を利用して夜間に躯体に蓄冷させ、昼間に躯体に吸熱させるナイトパージを採用した。H22/問16

※ナイトパージは夜間の冷気(自然エネルギー)を利用します。氷蓄熱システムなどは使いません。誤答肢

・クールスポットは、外気温度が建築物内の温度以下となる夜間を中心に、外気を室内に導入することによって躯体を冷却する方法であり、冷房開始時の負荷を低減し、省エネルギー化を図ることができる。

※記述はナイトパージの説明です。よって誤答肢

クールスポットは

主に屋外空間で(空調設備を使わずに)

涼しく感じる場所の事を言います。

どのようにクールスポットを作るか、ですが

わかりやすい画像が大阪府発表の資料にありましたので引用します。

目次に戻る 

アースチューブ・クールチューブ・ヒートチューブ

・クールチューブは、外気温が低下する夜間に自然通風を図り、居住者に涼感を与えるとともに、室内の蓄熱体の温度を下げ、翌日の室温上昇を抑える方式である。
H28/問6

※記述はナイトパージのことです。

“クールチューブ”は

地熱を冷房に利用する設備です。

ちなみに同じチューブで

地熱を暖房に利用すると”ヒートチューブ”

2つを総称して”アースチューブ”と

同じ1本のチューブなのに名前が違う

ということが起こっています。誤答肢

・郊外に建つ研修センターにおいて、空調負荷の低減を図るために、地下の設備配管ピットに外気を通すクールチューブ・ヒートチューブを採用した。
H22/問16

正答肢です。

・アースチューブは、地中に埋設したチューブに空気を送り込み、夏には冷熱源、冬には温熱源として利用する方式であり、一般に、外気温の年較差が大きい地域ほど熱交換効果が大きい。
H27/問5+R1/問6

※この設備は地熱を利用するため、1年を通してその地域の平均外気温(東京で15℃程度)で保たれた空気を利用します。同じ平均外気温15℃でも夏20℃で冬10℃の地域と夏40℃で冬-10℃での地域があった場合、15℃の空気がよりありがたいのは後者ですね。正答肢

目次に戻る 

壁面緑化

・壁面緑化は、緑化による視覚効果が得られるとともに、空調負荷の軽減による二酸化炭素排出削減効果も期待できる。
H27/問5

※植物の蒸散効果で躯体が蓄熱することを防ぐこともあり、よしずなどよりも効果が高いです。正答肢
目次に戻る 

リンク

計画分野では、他の項目の過去問題についても網羅しながら解説していますので合わせてご覧下さい。

一級建築士学科試験/計画分野/出題範囲の過去問題による枠組みと分類をしました。一級建築士試験の各分野の勉強をするうえで 私が大切だと感じたのが、 その分野の出題範囲のフレーミング(枠決め)をすることです...