介護施設は同じような名称が多いため、
語句をまとめて学習することで
頭の中がすっきりするのではないかと考えています。
一級建築士学科試験/計画/介護施設・病院関連過去問題まとめ
介護施設
高齢者支援施設(要介護)
・有料老人ホーム 医療ケアを必要とする要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とし、入所者がその有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるようにするとともに、居宅における生活への復帰を目指した施設。H26問16
記述は介護老人保健施設です。
有料老人ホームは入居した高齢者にたいして
入浴・排せつ・食事の提供他日常生活上
必要なサービスを提供する施設で
医療ケアや機能訓練などは基本的にしません。誤答肢
・認知症高齢者グループホーム=要介護状態の認知症の高齢者を対象に、5人から9人程度の小規模な生活の場において、入浴、排せつ、食事の介護、機能訓練等を行うことにより、利用者の有する能力に応じ自立した生活が営めるように援助するサービスを提供する施設H24問15
・認知症高齢者グループホームにおいて、小規模で家庭的な環境を実現するために、1ユニット当たりの入居定員を7名とした。平成23問15
共に正答肢です。
・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)/身体上又は精神上著しい障がいがあるために常時の介護が必要であり、居宅において適切な介護を受けることが困難な高齢者を対象とし、
入浴、排せつ、食事の介護、機能訓練等のサービスを提供する施設。H24問15
・特別養護老人ホームにおいて、家庭的な空間の中で生活するために、食堂とデイルームからなる共同生活室を7室の個室とともにユニット化し、そのユニットを複数配置した。平成23問15
共に正答肢です。
・「介護老人保健施設」は、医療ケアを必要とする要介護者に対し、看護や医学的管理下における介護及び機能訓練等並びに日常生活上の世話を行うことにより、入所者が自立した日常生活を営むことや居宅における生活への復帰を目指す施設である。H29問16
・介護老人保健施設において、療養室の入所者1人当たりの床面積を7㎡とした。平成23問15
介護老人保健施設は要介護者に
機能訓練や医療、日常の世話を行う施設で、
居宅による生活への復帰を目指します。
従来型の施設運営方式でも8㎡以上、
ユニット型の場合は10.65㎡以上必要です。
よってH29問16正答肢、H23問15誤答肢
・シルバーハウジング/要介護状態の高齢者を対象に、看護、医学的管理のもとに介護、
機能訓練その他必要な医療や日常生活上の世話を行うことを目的としたサービスを提供する施設H24問15
記述は介護療養型医療施設です。誤答肢
高齢者支援施設(自立)
・サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリー構造を有し、介護・医療と連携して高齢者を支援するサービスの提供等に関して一定の基準を満たし、
単身高齢者世帯、高齢者夫婦世帯等の居住の安定を確保するための賃貸等の住宅である。H25問12
正答肢です。
・既存の集合住宅をサービス付き高齢者向け住宅とするため、バリアフリー改修を施し、各住戸専用部分の床面積が 25m2以上となるようにした。R2問13
正答肢です。
・軽費老人ホーム(ケアハウス)」は、急性期の医療が終わり、病状が安定気にある患者のための長期療養施設である。H27問16
軽費老人ホームは日常生活を行うことに不安があって、
かつ家族の援助を受けられない高齢者に
低額な料金で入所させて、
食事・入浴介護など日常生活に必要なサービスを
行う施設です。その中で一般型ケアハウスは掃除、
洗濯などの生活支援サービスや食事の提供、
緊急時の対応などが提供されますが、
長期療養ができる施設ではありません。誤答肢
・シルバーハウジング・プロジェクトは、高齢者の生活特性に配慮した住宅及び附帯施設の供給並びにライフサポートアドバイザーにより福祉サービスの提供を行う事業である。H25問12
高齢者世帯向けの公的賃貸住宅の供給事業です。
バリアフリー化された公営住宅の
供給と生活サポートサービスを併せて行います。正答肢
・老人デイサービスセンター 身体上または精神上の障がいにより、日常生活を営むのに支障がある高齢者等(養護者を含む。)に対し、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練、介護方法の指導、生活等に関する相談及び助言、健康状態の確認等のサービスを、通所方式で提供する施設。H26問16
・老人デイサービスセンターにおいて、通所介護に必要な浴室、食堂、機能訓練室、静養室、相談室等を計画した。平成23問15
送迎用バスによる通所利用や在宅訪問によって
上記のサービスをする施設です。共に正答肢
・「小規模多機能型居宅介護」は在宅の高齢者が要介護状態になっても、住み慣れた地域で生活が継続できるように支援することを目的として、通所を中心とし、随時の訪問による介護や短期間の宿泊等を組み合わせた介護サービスである。H27問16+H24問15
正答肢です。その名の通り小規模ながらも
多機能なサービスを取り扱います。
デイサービスを中心とし、
訪問やショートステイを組み合わせたサービスを行います。
障がい者支援施設
・「施設入所支援」は、障がい者支援施設の入所者に対して、主として夜間における入浴や食事等の介護を行うサービスである。H27問16
障がい者支援施設の入所者の、
夜間の入浴・排泄・食事の介護や
日常生活支援を行う施設です。正答肢
・「福祉ホーム」は、現に住居を求めている障がい者に対して、低額な料金で、居室その他の設備を提供するとともに、日常生活に必要な便宜を供与する施設である。H27問16
障がいがあるために
一般の居住施設に入居しづらい方に、
低額な料金で居室利用や
日常生活に必要なサービスを行う施設です。正答肢
・放課後等デイサービス事業所」は、就学中の障がい児に対して、放課後や夏休み等の長期休暇中において、生活能力の向上のための訓練や支援等を継続的に提供するもので、指導訓練室や支援に必要な設備・備品等を備えることが求められている。(H29問16)
正答肢です。
その他用語
・ユニットケア 入居者10人前後の日常生活の領域を一つのユニットとして位置づけ、各ユニットに個室と他の入居者や介護スタッフと共同生活をしながら、入居者の個性や生活リズムに応じてくらしていけるようにサポートしていく介護手法。H26問16
特別養護老人ホームや介護老人保健施設内で
入居者を10人前後のグループに分けて
各個室と共用スペースを併設したユニットを
生活領域にして介護をする手法です。正答肢
・ハウスアダプテンーション 既存住宅において、そこで暮らす高齢者等の身体状況に応じて、開口部や通路の有効幅員、段差等の日常生活上の障がいを除去することによって、高齢者等がなるべく在宅のまま住み続けられることを目的とした住宅改造H26問16
正答肢です。高齢者等が住みやすいように
自宅をリフォームすることです。
・「日本版CCRC(Continuing Care Retirement Community)」は、大都市に在住する高齢者が健康な段階から地方へ移住し、地域活動に積極的に参加することをとおして、地域社会に溶け込み、多世代と交流・共働する居住が基本となっている。H29問16
正答肢です。
病院
・総合病院における小児患者のための病床は、疾病ごとの特徴に対し的確に対応できるように、診療科ごとにそれぞれ設けた。R2問17
できるだけ小児患者の病床をまとめ、
保育、療養の場を設ける方が良いです。
よって誤答肢
・総合病院における小児病棟の計画において、入院する子供たちの教育や学習の場として、院内学級のための教室を設置したH24問16
正答肢です。
・一般的な総合病院の計画において、病棟・外来・診療・供給・管理の五つの部門の構成を設定し、各部門間の人と物の動線について検討した。H22問14
正答肢です。
・手術部の計画に当たり、他部門との速やかな連携や機材等の搬出入に配慮し、他部門間の通過動線を手術部内に設ける計画とした。H28問16
手術部に菌を持ち込んではいけないので
通過動線内にあってはいけません。
また外科系病棟や検査室や材料部との
動線に特に配慮が必要です。誤答肢
・外来診療部の計画に当たり、患者の出入りの多い内科は外来入口の近くに配置し、小児科は可能な限り他科と分離して計画した。H28問16
正答肢です。
・病棟の患者用トイレの計画においては、トイレを分散して配置するなど、病室とトイレの距離を短くする工夫が必要である。R2問16
正答肢です。”トイレが近くにある”は正義です。
・LDRとは、陣痛・分娩・回復と出産の過程に応じてそれぞれに必要な設備が整った専用の部屋を設ける方式である。R2問16
・LDR室の計画に当たり、家具や空間の仕上げに木材を使用する等、暖かい家庭的な雰囲気となるように配慮した。H28問16
・LDR病室の計画において、出産時に使用する無影灯について、使用しないときには天井に格納できるようにし、室内の仕上げや家具に木を使用することによって、暖かい家庭的な雰囲気とした。H24問17
LDR室は陣痛から出産後の回復時まで
滞在する病室ですが、いかにも病室らしい部屋だと
落ち着かないので家庭的な雰囲気にしており、
ベッドが分娩台としても利用できたり、
パートナーが一緒に寝泊まりできる
ソファベッドが設えられていたりします。
よってR2は誤答肢、H28,H24は正答肢
・看護拠点の計画に当たり、看護動線の短縮及び病室内の患者の観察の容易さを確保するため、ナースステーションの他にナースコーナーを設け、看護の作業領域を分散した。H28問16
大きな病院だと各ブロックの病室への対応を
速くできるようナースコーナーを
分散したりします。正答肢
・病棟の計画において、電子カルテを導入し、看護作業拠点を各病室から近いところに分散配置した。H25問15
看護ステーションを分散配置すると
カルテの保管が大変なので電子カルテにして
各所で確認できるようにするのが良いですね。正答肢
・総合病院において、ベッドの間隔を1m確保する4床病室の面積を20㎡とした。H25問6
・総合病院における4床の病室の計画において、ベッド間隔を1m確保するために、一床当たりの床面積を8.0㎡以上とした。H22問6+H29問6
・4 床病室の計画において、隣り合うベッドとベッドとの間に幅 1 m以上のスペースを確保するためには、病室面積は 32 m 2 以上が目安となる。R2問16
一人あたり8.0m2で32m2必要です。
よってH25誤答肢、H29,R2正答肢
・診療部門の計画において、放射線治療室を地階に配置した。H25問15
放射線の防護対策として
地階や別棟に配置したいです。正答肢
・緩和ケア病棟の計画において、病室を全て4床とし、衛生上の観点から便所は病室の外にまとめた。H25問15
ガンなどにより身体的、精神的に辛い患者さんや
そのご家族の身体や心の苦痛を和らげる
ケアを行う場所です。
できるだけ個室にして
水回りも室内に設けたいです。誤答肢
・病院内で使用する物品の管理を一元化するために、SPD部門を設けた。H25問15
SPD[Supply(供給)
Processing(加工)
Distribution(分配)]の略で
物品の過剰在庫を防いだり請求、
発注業務の軽減など病院の業務の
サポートをするシステムです。正答肢
・「急性期リハビリテーション」は、疾患に応じ90日から180日をかけて身体の機能や日常生活動作(ADL)の改善を目指すことであり、専門リハビリテーション医療機能をもつ医療施設で行われている。H29問16
回復期リハビリテーションは、疾患に応じ 90 日から 180 日をかけて身体の機能や日常生活動作(ADL)の改善を図ることを目的としている。R2問16
記述は”回復期リハビリテーション”です。
急性期リハビリテーションは
脳血管障害等が発症したあと意識回復後直ちに、
「現状より悪くしない」ことを目的とした
リハビリを行うことがその後の回復にも
有用だという考え方です。
よってH29は誤答肢、R2は正答肢
計画分野では、他の項目の過去問題についても網羅しながら解説していますので合わせてご覧下さい。
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