一級建築士学科/計画分野/過去問集

一級建築士学科試験/計画/歴史的建造物や街の保存・再生関連過去問まとめ(H28~30で1問ずつ出題)

H28~30で1問ずつ出題されていますし、今後も出題が続くのではないかと思います。

一級建築士学科試験/計画/歴史的建造物や街の保存・再生関連設問の過去問題まとめ(H28~30で1問ずつ出題)

日本

・東京駅丸の内駅舎(東京都千代田区)は、赤レンガのファサードをもつ駅舎であり、特例容積率適用地区制度を活用して、未利用容積を周辺建築物に売却・移転した上で、保存・復原したものである。H28問2

・東京駅丸の駅舎 東京都千代田区 は辰野金吾が設計した赤レンガのファサードを持つ駅舎であり 、総合設計制度を適用して 未利用容積を別の敷地に売却して事業費を捻出し、戦災により消失した部分の復元が行われ 現在でも利用されている。H23問3

※国土交通省のホームページ内にわかりやすい絵がありましたので引用します。特例容積率適用地区制度を利用しています。よってH28問2は正答肢、H23問3は誤答肢

参照:国土交通省hp

 

・目黒区総合庁舎(東京都目黒区)は、民間企業の本社屋として建築された建築物を、耐震補強、設備改修等を行ったうえで、庁舎として再生・転用したものである。H28/2

※千代田生命保険相互会社の本社ビルだったものを2003年(平成15年)1月に庁舎として再生しました。建築家は村野藤吾氏です。正答肢

・神奈川県立近代美術館鎌倉館(神奈川県鎌倉市)は、竣工時の形状を損なうことなく地震に対する安全性を高めるため、免振レトロフィット工法を採用し保存・回収したものである。H28/2

※記述は国立西洋美術館本館が該当します。

神奈川県立近代美術館鎌倉館は坂倉準三氏設計の建物で鉄骨造地上2階建てで、1階にはピロティと野外展示のための中庭があり、2階はロの字型の平面を持っている、軽やかな建築です。現在は閉館していますが、2019年春に「鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム」としてリニューアルオープンしますので、近々出題されるかもしれません。誤答肢

・旧門司税関(福岡県北九州市)は、明治・大正時代の歴史的建造物を活かしたまちづくりである「門司港レトロ事業」の一環として、明治45年に建築された税関庁舎を、港湾緑地の休憩所等として再生・活用したものである。H28/2

正答肢です。

参照:北九州公式観光サイトぐるりッチ!北Q州

 

・アートプラザ大分市は、図書館をギャラリー等からなる芸術文化の複合施設にしたものであるH25問3

※昭和41年、磯崎新氏設計で大分県立図書館として建設されました。今はアートプラザという名称で芸術文化の複合施設として利用されています。正答肢

・倉敷アイビースクエア(倉敷市)は、連続するのこぎり屋根を持つ平屋建ての紡績工場の棟の一部を撤去して出来たオープンスペースを中心として、展示施設、ホテル等からなる複合施設にしたものである。H25問3

正答肢です。正答肢としてよく出てきますね。

参照:アイビースクエア公式hp

 

・旧大社駅舎(出雲市)は、 創建時の赤レンガの外観を再現するとともに、地震に対する安全性を高めるために免震工法を採用し、観光施設にしたものである。H25問3

※旧大社駅舎は出雲にあるということもあり、純和風建築物です。記述は東京駅丸の駅舎です。

参照:出雲市観光協会hp

 

・札幌市のサッポロファクトリーはビール工場の煉瓦造りの建築群を複合商業施設に再生させたものである。H24問3

正答肢です。

・中京郵便局(京都市)は明治時代に建てられたレンガ作りの洋風建築でありファサードの一部を保存し、 内部を一新して鉄筋コンクリート造の建築物とすることにより、
現在でも郵便局として利用されている。H23問3

正答肢です。

・三井本館(東京都中央区)は国の重要文化財に指定された建築物であり、重要文化財特別型特定街区制度を適用して超高層ビルと一体的に再生され、現在でも銀行やオフィスビルとして利用されている。H23問3

※重要文化財特別型特定街区制度第1号で、歴史的建築物の保存と超高層ビルの建設を両立させました。正答肢です。

・自由学園明日館 東京都豊島区は ライト 遠藤 新とが設計した木造校舎であり 国の重要文化財の指定を受けて、使い勝手を向上させながら 耐震補強等の改修がなされ、現在では結婚式やパーティーにも利用されている。H23問3

※セミナー会場として利用することもできます。正答肢です。

・山梨市庁舎東棟(山梨市)は、1970年代に建設された工場を、プレキャスト鉄筋コンクリート部材のアウトフレームを用いて耐震改修し、庁舎へ再生させたものである。H27問17

※工場から庁舎という日本で前例のない試みで2010年のグッドデザイン賞サステナブルデザイン賞を受賞しています。正答肢

・金沢市民芸術村(金沢市)は、大正から昭和初期に建設された紡績工場の倉庫6棟を改修し、工房、レストラン、オープンスペース等から構成される芸術文化施設へ再生させたものである。H27問17

※1997年にグッドデザイン大賞を受賞ています。倉庫と倉庫をコロネードという外部廊下でつないでいます。正答肢です。

・犬島精錬所美術館(岡山県)は、20世紀初頭に閉鎖された精錬所の遺構を活用し、自然エネルギーを積極的に利用した美術館として保存・再生させたものである。H29問2

※三分一氏の設計です。正答肢

3331 Arts Chiyoda(東京都)は、廃校になった中学校を、アートギャラリーを含む文化施設等として保存・再生させたものである。H29問2

正答肢です。

・後藤新平らが主導した関東大震災からの帝都復興事業」においては、鉄筋コンクリート造により不燃化・耐震化した復興小学校を建設し、隣接して小公園を整備した。H29問10

正答肢です。

・小布施町(長野県)においては、明治時代に建築された黒漆喰仕上げの建築物を保存・改装し、この建築物を核とした街並み「黒壁スクエア」を中心にして観光振興によるまちづくりを行っている。(H30問10)

※「黒壁スクエア」は滋賀県長浜市です。誤答肢

・富山市(富山県)においては、持続可能なコンパクトシティの実現を目指し、LRT(Light Rail Transit)を導入することで、公共交通の活性化、公共交通沿線地区への居住促進、中心市街地の活性化等を図っている。(H30問10)

正答肢です。

・横浜市(神奈川県)においては、「クリエイティブシティ・ヨコハマ」の実現を目指し、歴史的建造物や鉄道高架下等を活用した文化芸術活動を支援するための拠点づくりを行っている。(H30問10)

正答肢です。

環状第二号線新橋・虎ノ門地区(東京都)においては、道路の上空及び路面下において建築物等の整備を一体的に行うことができる「立体道路制度」を活用し、この地域における居住機能や文化・交流機能の導入、業務機能の質の高度化等を図っている。(H30問10)

正答肢です。

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海外

・リンゴット工場再開発計画(イタリア トリノ)は、20世紀初頭に建設された巨大な
自動車工場を、現代美術館として保存・再生させたものである。H29問2

・リンゴット工場再開発(トリノ)は、巨大な自動車工場を、見本市会場、音楽ホール、ホテル、会議場棟からなる複合施設にしたものである 。H25問3

※自動車工場を複合施設にした、というのが正解です。H29問2は誤答肢でH25問3は正答肢です。

・カステルヴェッキオ美術館(イタリア ヴェローナ)は、14世紀に建設された歴史的
建造物である城を、美術館等として保存・再生させたものである。H29問2

・ヴェローナ(イタリア)のカステルヴェッキオ美術館は歴史的建造物であった市庁舎を市立美術館へ再生させたものであるH24問3

※カルロ・スカルパにより美術館として再生されました。カステルヴェッキオは元は城です。カステルが英語でcastle(キャッスル)で城という意味かなと解釈しています。よってH29問2は正答肢、H24問3は誤答肢

・ロンドンイギリスのテートモダンは第二次世界対戦後の復興地に建設された火力発電所をモダンアートの美術館に再生させたものである。H24問3

※ヘルツォーグ&ド・ムーロンにより再生されました。正答肢

・フランソワ・ミッテランらが主導したパリの都市計画であるグラン・プロジェ」においては、フランス革命200年を記念して、ルーブル美術館の大改修やオルセー駅舎の美術館への転用等、拠点整備による都市の再生を進めた。H29問10

・パリ(フランス)のオルセー美術館は鉄道の駅舎を印象派の作品を中心とする美術館へ再生させたものである 。H24問3

※共に正答肢です。フランソワ・ミッテランが強く主導したため[大統領の現場]と皮肉をいわれたこともあったようです。Google Arts & Cultureのサイトにオルセーのわかりやすいストーリーがおいてありましたので、気になった方はどうぞ。

・ロンドンのドックランズ再開発計画は、港湾機能の低下によって衰退したテムズ川沿いの旧港湾地区に複合機能をもたせたプロジェクトである。H27問10

※もとは港湾、倉庫、造船所などで使われていた地区を住居・ビジネス・商業・軽工業の複合用途に再開発して、今では超高層ビルが林立しています。正答肢です。

・ベルリンのポツダム広場再開発計画は、第二次世界大戦とその後の東西分断によって長年更地であった敷地に複合機能を持たせたプロジェクトである。H27問10

正答肢です。

・ソウルの清渓川(チョンゲチョン)は、首都の中心部を貫通する高速道を撤去しかつての河川水辺空間を復元させたプロジェクトである。H27問10

※高速道を支えていた部分がモニュメント的に残っていたりします。正答肢です。

 

参照:共に日本河川・流域再生ネットワークhp

 

・イタリアのウルビーノ都市基本計画は、炭鉱の産業遺産を再利用しながら都市全体を再開発したプロジェクトである。H27問10

※記述はドイツのツォルフェライン炭鉱業遺産群再開発の説明です。ウルビーノ都市基本計画はかつて芸術文化の町だった街並みをそのままに都市を再生させています。

参照:ツォルフェライン炭坑業遺産群/© UNESCO hp http://whc.unesco.org/ja/list/975

 

参照:ウルビーノ歴史地区/© UNESCO http://whc.unesco.org/ja/list/828#top

・ハイライン(ニューヨーク市)は、1980年に廃道となった高速道路を、路面上は緑道、高架下は大規模なショッピングモールへ再生させたものである。H27問17

※使われなくなった「貨物鉄道の高架線路」を公園に再生させたものです。地上10m程で空中庭園のようになっています。第1期が2009年、第2期が2011年に施工されています。誤答肢

・ジェミニ・レジデンス(コペンハーゲン市)は、港湾施設として使用されていたサイロを改修し、集合住宅へ再生させたものである。H27問17

※2005年にMVRDVにより再生されました。サイロの中を住宅とするのではなく、サイロの外に住宅を吊り下げるようにしています。サイロの内部は巨大なアトリウム空間になっています。正答肢

・バイカー再開発(イギリス・ニューキャッスル)は、住民の意見を積極的に取り入れたもので、既存のコミュニティー施設を残し、地区の周囲に壁状の高層住棟を配置し、その内側に庭付きの低層集合住宅を配置した計画である。H23問11

※高速道路が建設される予定だったためバイカーウォールと呼ばれる高層住棟を防音壁として連続させる計画になりました。正答肢

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リンク

計画分野では、他の項目の過去問題についても網羅しながら解説していますので合わせてご覧下さい。

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