子供部屋は何歳から必要?作るタイミングと「まだ必要ない」という考え方

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子供部屋間取り例

私は普段、注文住宅の設計を行っていますが、

「子供部屋は何歳から必要か?」「子供部屋を作らないという選択肢は?」とお悩みの方も
多いです。

この記事では、家族のライフスタイルや住まいの間取り、
そして子どもの成長段階に応じた考え方を解説しながら、
“後から作ればよい”という選択肢をご提案したいと思います。

後悔しない部屋づくりのために、収納・家具・照明・空間構成など幅広い視点からアドバイス。
新築やリフォーム、賃貸暮らしでも役立つ内容となっています。

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目次

子供部屋は何歳から必要?年齢別に見る空間ニーズの変化

一般的には、小学校入学(6〜7歳)を機に子供専用スペースを設ける家庭が多いです。
幼少期はリビング中心の生活で十分なケースも多く、無理に個室を作る必要はありません。
大切なのは “今の暮らし” と “将来の変化” を見越した部屋の設計です。

年齢 必要なスペース例 ポイント
0〜5歳 リビング横のキッズスペース 親子のコミュニケーション重視
小学生 勉強机・本棚・ランドセル収納 教科書・学用品の片付け習慣を育む
中学生〜高校生 個室化+プライバシー 思春期に向けた集中と自立

子供部屋は本当に必要?「作らない派」の合理的な選択肢

私が担当している注文住宅をご計画中の方は
30歳台中盤から後半のご夫婦が多いです。

ちょうど子育て世代で、
生まれたばかりの赤ちゃんのいるご家庭や
小学校に入る前のお子様のいるご家庭の方々が多いです。

そのような方々も、最近では
「子供が小さいうちは個室は不要だ」
とお考えのご家庭も若干ではありますが
増えてきました。

それは家族の会話を大切にしたいという思いや、
限られた住宅スペースを有効活用したいという事情があります。

子供部屋を作らないことによるメリットは以下の通りです。

メリット:

  • 同じ空間で過ごしているので常に親の目が届く
  • 家族で同じ空間を共有しているため、安心感がある
  • 使わなくなった部屋のデッドスペース化を防げる

デメリット:

  • 子どもが成長してくるとプライバシーの保護が難しくなる。
  • 教科書や衣類などの収納・整理整頓が難しくなる

未就学児や小学生のお子様がダイニングテーブルでお絵描きをしたり
勉強している姿をご両親が見守りながら声掛けができるのは
大きなメリットです。

新築時から子供部屋を作るときに気を付けること

一方で新築時に子供部屋を希望される方はまだまだ多いです。

しかも「個室は1人分だけでいいです。」
という方はほとんどおられなくて、
たいていは2人目を見据えて計画を考えられたり、
すでに3人のお子様がいらっしゃるというお客様もおられます。

そういった背景もあり、

「子供が2人いるから部屋が2つと
それぞれに収納が必要で、
あと当初はみんなで寝る大きめの寝室と
広めのウォークインクローゼットも必要です。」

といわれることも多いです。

ご予算があって敷地も十分広ければ
何の問題もありませんが、
そうでない場合
子供部屋が限りあるスペースを圧迫することになります。

子供部屋を使うのは11歳から?

例えば30歳台のご夫婦にお二人のお子様がいて、
上は3歳で下は0歳だとします。

そしてお子様二人にそれぞれ6畳ずつ
の部屋を割り当てて、お家を建てたとします。

欧米のライフスタイルのように、
お子様が小さいうちからお一人で寝かせるという
様式は日本では珍しく、実際は家族一緒で寝る方が
多いように思います。

となると、
上の子が子供部屋が必要になるのは
早くて小学校高学年、
たいていは中学生になってからです。
年齢でいうと、
11歳から13歳というところ
です。

家を建ててから8~9年後になります。
とすると、
6畳のうち1部屋は8~9年、もう1部屋が11~12年は
特に稼働することのない納戸になります。

少し嫌な考え方かもしれませんが、
12畳=6坪ですから坪80万円で建てた場合、
500万円弱の空間が有効に活用されないというのは
非常にもったいないと思います。

このように新築時に子供部屋を作る場合は、
きちんと空間を使うのかどうかを先に
考えておく必要があります。

フリースペースという名の贅沢納戸スペースになっていませんか?

こういう話になるため、

「6畳2部屋に分割せずに扉だけ2つ設けて
12畳の大きなフリースペースにしておく」

という話になります。

ところが、です。この12畳のフリースペース、
私がこれまで見てきた方の多くは

広い部屋にお子様のおもちゃが散乱していて、
端っこの方には普段使わないものを置いてあるだけ
という贅沢な納戸のスペース

になっています。

また、LDKと子供部屋が違う階にある場合、
子供が小さいうちは危ないので
子供1人だけで別階で遊ばせるわけにもいきません。

そうなると1階で家事をしているときは、
その12畳のスペースは使わないことになります。

ちなみに我が家の長男は8歳になりますが
一人は寂しいようで、
一人で2階で遊ぼうとしません。

お子様のライフステージを考えながら、子供部屋を有効活用する2つの提案

せっかく大きな空間があるのだから
利用しない点はありません。

そこで私は

  1. 部屋を間仕切り、一つを客間として利用するプラン
  2. 12畳を当面、ご家族寝室として利用するプラン

をご提案しています。

1、部屋を間仕切り、一つを客間として利用するプラン

例えば2Fに個室がまとまっている、
下のような間取りで考えます。

子供部屋間取り例


客間というのはたまーに来られたお客様に
お泊まりいただく部屋です。

(リビング付近に和室を設けて対応する方も多いです。)

たまーに泊まりに来る方のために

「1階のLDKや水回りの計画は今のプランで満足しているけど、
客間がどうしても必要だなぁ。
だけど今のままではどうしても客間が設けられないし、
LDKを手狭にして客間を設けるか
それとも1階をもう一回り大きくしようか?」

なんてことを考え、家を大きくすると
仮に6畳の客間が建物にプラスされると
200万円~250万円の追加費用が掛かってきます。

でも待ってください。
2階に今は手付かずの空間があるではありませんか。

プライベート間の強いサブ階に客間
というと抵抗のある方も多いのですが、

友人や知り合いがちょくちょく家に泊まりに来る、
というのならまだしも泊まりに来ることはめったになく、
たいていご両親が泊まりに来るという程度だったら

サブ階で良いと思いませんか?

リビングにつながる客間としての和室

については別記事でご紹介しています。

https://halu-ie.com/koagari-washitsu/

2、12畳を当面ご家族寝室として利用するプラン

もうひとつの提案は子供部屋を間仕切らずに
広い空間で残しておいて、そこをご家族全員の寝室としては
どうかというご提案です。


こちらのお客様は
すでに3人のお子様のいるご家庭でした。

  1. 一番上のお子様が保育園の年長(6才)
  2. 2番目のお子様が年少(3才)
  3. 3番目のお子様は生まれたばかり(0才)

子供部屋を小さいながらも
3人のお子様全員に部屋を
割り当てられるようにしておき、
寝室は最小限にして面積を抑えました。

しかし、当分の間はお子さん3人と親2人
計5人で寝ることになります。

残念ですがこの寝室の広さ(画面左上の4.5畳)は
ご家族皆さんで
寝られるスペースにはなっていません。

そこで子供部屋の出番です。
子供部屋を分割せずに大きな空間にしておき、
当分の間ご家族全員の寝室として利用するのです。

3分割すると小さな部屋でも、
もとは12.5畳もありますから
ご家族5人で寝ても全然問題ありません。

お子様のライフステージに合わせて部屋の使い方を変えていく

そして今後は
お子様のライフステージに合わせて、
利用の仕方を変えていく予定で計画しています。

1,上の子が中学生になった時

一番上のお子様が中学生になって部屋が欲しいとなったときは、
ご夫婦寝室を使ってもらいます。

ちなみにそれまでご夫婦寝室は
客室としての利用も想定しています。

2,真ん中の子が中学生になった時

2番目のお子様が中学生になって
部屋が欲しくなったときは、
子供部屋の3つのうち1つ分を間仕切って使ってもらいます。

残りの2つ分で最低でも8畳ありますから
ご夫婦と一番下のお子様で広々利用できます。

3,下の子が中学生になった時

そして一番下のお子様が
部屋を持つようになった時に、
子供部屋は3部屋に間仕切られて、

一番上のお子様とご夫婦が
それぞれ部屋を引っ越して完了です。

ちなみにこのプランでは
お子様の収納をファミリークローゼットというものでまとめています。
たたんだ洗濯物を収納するのも簡単なのでありがたいです。

EX.お子様が自立する日を考える

今回のようにお子様の年齢差がひらいている場合、
子供部屋は2つだけで考えておいてもよいかもしれません。

それは
一番下のお子様が中学生になったときには、
一番上のお子様は既に大学生か社会人になっていて
家を出て自立されているという可能性があるからです。

このようにご家族のライフステージを想像しながら
部屋の利用方法を考えていくとよいでしょう。

事前に計画できていれば後から間仕切りを作成しても大きな費用はかからない

初めに間仕切り位置を計画できていれば、
大きなリフォーム費用をかけずに間仕切りをすることができます。

仮に2.73mの長さ(一間半)の間仕切り壁作成(下地木材,プラスターボード,ビニルクロス)だと、
材工共で12~15万円程度というところではないでしょうか。

この金額は新築時に作成する場合と
それほど大きな違いはありません。

可変性のある間取りで「あとから仕切る」柔軟な設計も視野に入れる

部屋の間仕切り方も壁を作らないといけないわけではありません。

間仕切り家具、突っ張りパーテーション、ロールスクリーン、カーテンなど、
後から簡単に空間を分ける方法は豊富にあります。

これらについては別記事で詳しく解説していますので、
気になった方はぜひご覧ください!

【部屋を分けたい】間仕切り5パターンをビジュアルでご紹介します。


どうしても部屋が欲しい場合はコンパクトな子供部屋も考える

それでも、どうしても新築時に子供部屋を作りたい!
という方はコンパクトな部屋にするという選択肢もあります。

私の経験では3畳あれば間取り次第で快適な部屋ができます。

子供部屋の間取り・レイアウトについても
ビジュアル付きで詳しく取り上げています。

詳しくはこちらの記事をご覧下さい!

【広さ別まとめ】子ども部屋は何畳必要?レイアウト・仕切り方まで徹底ガイド

まとめ

  1. お子様の年齢や性別でライフステージを考えて間取りを考える
  2. おウチの中をご家族が引っ越していくことを考える

こうすることでいつも家全体を余すことなく
利用できるようになります。

一度検討してみて下さい!

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コメント

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【部屋を分けたい人へ】間仕切り5パターンをビジュアルでご紹介します。 – 注文住宅設計士の日常 へ返信する コメントをキャンセル

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