一級建築士学科試験の施工分野で出題の
金属・ガラス工事の設問(毎年18問目あたり)を
9年分まとめてカテゴリーに分類しています。
一級建築士学科試験/施工分野/金属・ガラス工事問題過去問題まとめ
ガラス工事・鋼製建具工事の部分は
計画分野でも同じような設問が出題されています。
ですので、覚えておくと計画分野での
点数につながる可能性もあります。
ガラス工事・鋼製建具工事
ガラスの構成はコチラのサイトを参考にしてください。
上記の構成と各部の名称をおさえて設問に入ります。
1.かかり代とは、地震時における建築物の躯体の面内変形によって窓枠が変形した場合に、板ガラスと窓枠との接触を防止するために必要な寸法である。h22/18
記述は“エッジクリアランス”です。
かかり代は窓枠からガラスが
外れないようにするために
必要な長さです。誤答肢
2.引違い窓のセッティングブロックは、フロート板ガラスの両端部からガラス幅の1/4の位置に設置した。h25/18
3.アルミニウム製の外壁サッシにおいて、引違い窓のセッティングブロックは、フ
ロート板ガラスの両端部からガラスの横幅寸法の1/4の位置に設置した。h28/18
4.はめ込み構法において、ガラス小口とはめ込み溝の底との間には、地震時に建具枠が変形したときの接触を防ぐために、セッティングブロックを用いてエッジクリアランスを設けた。h25/18
5.サッシ枠が地震による面内変形を受けた場合にガラスが割れないようにするため、サッシ枠のはめ込み溝底とガラスエッジとの間に設けるエッジクリアランスの寸法を確認した。h27/18
6.はめ込み構法によるガラス工事において、サッシ枠が地震による面内変形を受けた場合におけるガラスの割れの防止のため、サッシ枠四周のエッジクリアランス(はめ込み溝底とガラスエッジとの間の寸法)を確認した。h30/18
全て正答肢です。
7. 外部に面する建具に複層ガラスを用いるはめ込み構法において、はめ込み構内への水の浸入により、複層ガラスのシール材が劣化するおそれがあるので、
下端のはめ込み溝内に有効な水抜き孔を設けた。h26/18
複層ガラスのシール材は
水に弱いので有効な水抜き孔が必要です。正答肢
8. 外部に面する複層ガラスの取付けには、一般に、グレイジングチャンネルを用いない。h22/18
9. 外部に面する複層ガラスの取付けにおいて、グレイジングチャンネルを用い
た。h25/18
グレイジングチャンネルは
止水性・排水性が低いので
複層ガラスなど
水に長時間触れると問題が生じるガラスには
一般的には採用しません。
よって問8は正答肢、問9は誤答肢
10. グレイジングチャンネル構法において、水密性・気密性を低下させないように、ガラスの四周に巻き付けたグレイジングチャンネルをガラス下辺中央部で突き合わせた。h26/18
侵入した水の悪影響を考えると、
下に突合せ箇所があったら
良いことにはなりません。
上辺中央部で突き合わせるようにします。
よって誤答肢
11.外部に面する網入り板ガラスの小口部分に、ガラス用防錆塗料又は防錆テープを用いて防錆処置を施し、発錆による割れを防止した。h27/18
正答肢です。
12. 外部に面する網入り板ガラスの「下辺小口部分」及び「経小口下端から1/4の高さまでの部分」には、ガラス用防錆塗料又は防錆テープを用いて防錆処置を行う。h22/18
正答肢です。
13. SSG構法とは、ガラスの周辺において構造シーラントを用いてガラスの支持部材に接着する辺を有し、ガラスの強度計算において構造シーラントの接着辺を強度上の支持辺とみなす構法である。h22/18
正答肢です。※計画分野にもH28に出題されています。
14.DPG構法に使用するガラスについては、ガラスを点支持金物で固定することを考慮して、強化ガラスとした。h23/17
正答肢です。※DPG構法やSSG構法については計画分野でも解説をしています。
15. DPG構法において、室内に使用するガラスへの丸穴あけ加工については、特記がなかったので、穴の外周からガラスエッジまでの距離を、30mm 以上、かつ、穴の直径以上とした。h25/18
正答肢です。
DPG構法は点で支持するため
ガラスの支持部分が端すぎると重みに耐えきれず、
ガラスの端の方が欠けて割れる
恐れがあります。
そのため”肉”を残しておかないといけません。
16. DPG構法における強化ガラスにおいて、点支持金物を取り付けて支持構造と連結するための点支持用孔については、強化加工前に工場で加工した。h26/18
強化ガラスは
加工後は穴あき加工や切断などができません。
(強化ガラスを傷つけると粉々に破砕します。)
正答肢
17.設計図書において、強化ガラスの指定があったが、自然破損の危険性があるので、
設計者、建築主、監理者、工事施工者等で協議して合わせガラス仕様に変更した。h29/18
強化ガラスは細かい傷や角に
少しの傷ができただけでも
破損することがあります。
合わせガラスは防犯ガラスに
利用されるほど強いため、
金額は高くなりますが、
破損への対策は合わせガラスが良いです。正答肢
18.高層階のバルコニーの手すりの面材に使用するガラスについては、ガラスの破損時の破片の飛散を防止するために、合わせガラスとした。h23/17
正答肢です。
19.外壁サッシにはめ込まれた板ガラスの熱割れを防止するために、フロート板ガラス
に比べて日射吸収率の高い熱線吸収板ガラスを用いた。h28/18+h23/17
熱割れは1枚のガラスに
太陽の日がさす部分と日陰の部分が
あるときにガラスの膨張差で
破損する現象なので、
熱線吸収ガラスのように
特に太陽熱を吸収するようなガラスだと
より熱割れが起こる可能性が高くなります。
共に誤答肢
20.ガラスの熱割れ防止対策の検討のため、建築物の立地、開口部の方位、ガラスの光特性・熱特性等により熱応力を算出し、ガラスエッジの許容応力と比較した。h27/18
正答肢です。
21.養生を取り外した後の熱線反射ガラスの清掃については、ガラス表面の反射膜を傷つけないように、軟らかいゴムやスポンジを用いて水洗いした。h23/17
22.高遮蔽性能熱線反射ガラスの清掃は、ガラス表面の反射膜を傷つけないように、軟らかいゴムを用いて水洗いとした。h26/18
共に正答肢です。
とはいえどんなガラスでも
軟らかいもので水洗いした方が良いとも思います。
23. 矩形でない形状の複層ガラスについては、2枚のガラスの複層加工を行った後、ガラスの切欠き加工及び小口処理を行う手順を、ガラス工事施工計画書にて確認した。h27/18
複層ガラス間には
空気やガスが入っているため、
複層ガラスにした後では
切り欠くことができません。誤答肢
金属工事
1.アルミニウム合金製の手摺の取付けにおいて、温度差が 40°C の場合の部材伸縮の
目安を1m当たり 1.0mm程度として、伸縮調整部を所定の間隔で設けた。h28/18
2.アルミニウム合金製の手摺の取付けにおいて、部材伸縮の目安(温度差40°Cの場合)を1m当たり1mm程度として、伸縮調整部を8mごとに設けた。h24/18
共に正答肢です。
3.鉄筋コンクリート造の躯体へのアルミニウム製の外壁サッシの取付けに当たって、
サッシ下部のモルタルを確実に充塡するために、水切り板下部とサッシ下枠下部の
モルタル詰めを二度に分けて行った。h28/18
正答肢です。
4.軽量鉄骨天井下地工事において、JISによる建築用鋼製下地材を使用する場合、高速カッター等による切断面については、亜鉛の犠牲防食作用が期待できるので、錆止め塗料塗りを行わなくてもよい。h24/19
正答肢です。
5.軽量鉄骨天井下地において、天井のふところが 1.5mであったので、吊りボルトの水平補強及び斜め補強に当たり、[-19× 10× 1.2(mm)の鋼材を使用した。h29/18
正答肢です。
6.軽量鉄骨天井下地において、野縁を野縁受に留め付ける留付けクリップのつめ
の向きについては、野縁受の溝に確実に折り曲げられるように、向きを揃えて留め付け
た。h29/18+h24/18
クリップのつめの向きは、
交互に変えて取り付けます。誤答肢
7.アルミニウム製建具へのフロート板ガラスによる複層ガラス(6mm+ A6+6mm)のはめ込みに当たり、不定形シーリング材構法における複層ガラスの掛り代を、特記がなかったので、15mm以上確保した。h29/18
正答肢です。
8.軽量鉄骨天井下地工事において、JISによる建築用鋼製下地材を使用したので、高速カッターで切断した面には、亜鉛の犠牲防食作用が期待できることから、錆さび
止め塗料塗りを省略した。h30/18
正答肢です。
9.ガラス工事におけるガラスブロック積み工法において、伸縮調整目地については、特記がなかったので、5mごとに幅15mmとした。h30/18
正答肢です。
10.軽量鉄骨壁下地工事において、振れ止めについては、JISによる建築用鋼製下地材を使用し、床ランナーから上部ランナーまでの高さが3000mmであったので、床ランナー下端から1500mmの位置に1段目の振れ止めを設けた。h30/18
11.軽量鉄骨壁下地において、スタッドに取り付ける振れ止めは、床ランナーの下端から1,400mmごとに設け、上部ランナーの上端から400mm以内については省略した。h26/19
振れ止めは
床ランナーから1200mmごとに設けます。
また上部ランナーから400mm以内に
振れ止めが来る場合は省略できます。
共に誤答肢
12.軽量鉄骨壁下地において、設備配管により振れ止めを切断する箇所には、振れ止めと同材又は吊りボルト(ねじ山径9.0mm)によって補強した。h24/18
正答肢です。
13. 軽量鉄骨壁下地において、コンクリート壁に添え付くスタッドについては、ボード割付けにかかわらず、打込みピンで振れ止め上部の位置に固定した。h24/18
正答肢です。
12.軽量鉄骨下地に直接張り付けるせっこうボード張りにおいて、留付け用小ねじの間隔については、壁の中間部で300mm程度とした。h23/18
正答肢です。
13. 内装工事において、天井に設ける点検口の取付けに当たり、軽量鉄骨天井下地の野縁及び野縁受を溶断し、その開口部の補強を行った。h25/21
軽量鉄骨の野縁及び野縁受けは
高速カッター等で切断するもので
溶断はしません。誤答肢
一級建築士学科試験の施工分野9年分の
過去問題をまとめました。
他の設問へもこちらからリンクできます。
https://halu-ie.com/gakka-sekou-roundup-article/
また一級建築士試験の施工分野の出題傾向と、
私が過去問題での学習を勧める根拠をまとめています。
こちらもご覧ください。
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設問18/金属・ガラス工事
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