この記事では一級建築士学科試験で
毎年出題されている各種届出の設問
(問4あたり)を9年分まとめて
カテゴリーに分類しています。
足場やエレベーター設置届他各種届出/一級建築士学科試験
各種届出の中で
真っ先に押さえておきたいのが
労働基準監督署長あてと都道府県知事あてです。
この2つに対する設問がかなりの出題頻度ですので、
押さえておくと正解に近づきます。
高層建築物等予定工事届
1.伝搬障害防止区域内において、地表からの高さが31mを超える建築物の新築に先立ち、「高層建築物等予定工事届」を、総務大臣あてに提出した。h23/4
2. 電波法に基づく伝搬障害防止区域内における高さ60mの建築物の新築に先立ち、当該工事の着手前に、「高層建築物等予定工事届」を、労働基準監督署長あてに提出した。h27/4
地表高さ31mを超える新築に提出が必要です。
総務大臣あてです。
よって問1は正答肢、問2は誤答肢
建設工事計画届
1. 高さ40mの建築物の新築に先立ち、当該工事の開始の日の14日前までに、「建設工事計画届」を、労働基準監督署長あてに届け出た。h24/4
2.高さ 40mの鉄筋コンクリート造の建築物の解体工事を行うに当たって、「建設工事計画届」を特定行政庁あてに提出した。h28/4
枠組足場構造、材質及び主要寸法等を記載した書面」及び「組立図及び配置図」を添えた届
3.高さ12mの枠組足場を設置するに当たって、工事の開始の日の30日前までに、「構造、材質及び主要寸法等を記載した書面」及び「組立図及び配置図」を添えた届を、労働基準監督署長あてに提出した。h22/4
型枠支保工「建設物設置届」
4. 支柱の高さが4mの型枠支保工を設置するための「建設物設置届」を、労働基準監督署長あてに提出した。h25/4
エレベーター設置届
5.積載荷重1.5tの工事用エレベーターを設置するに当たって、工事の開始の30日前までに、エレベーター明細書、エレベーターの組立図及び強度計算書を添えたエレベーター設置届を、建築主事あてに提出した。h22/4
6.建築物の新築工事において、積載荷重1tの本設エレベーターを工事用として仮使用する場合、あらかじめエレベーター設置報告書を労働基準監督署長あてに提出することにより、
エレベーターの据付工事完成直後から使用することができる。h26/1
※これらは全て労働基準監督署長あてに提出です。
よって問2.5は誤答肢、問1.3.4は正答肢です。
主だったものは、
型枠支保工、足場、
クレーン、エレベーター、
高さのある建築物、
地山の掘削(条件は下の画像を参照ください)
など様々です。
これらを1つ1つ暗記しても良いのですが、
計画届を提出させる趣旨を理解してひとまとめに
覚えた方が楽だと思います。
また問6のエレベーターの仮使用ですが、
1t以上のエレベーターは設置した後に
落成検査を受けなければなりません。
よって問6は誤答肢
ボイラー設置届
1.ボイラー(移動式ボイラーを除く。)を設置するに当たって、「ボイラー設置届」を労働基準監督署長あてに提出した。h28/4
2. ボイラー(移動式ボイラーを除く。)の設置に先立ち、当該工事の開始の日の30日前までに、「ボイラー設置届」を、消防署長あてに届け出た。h24/4
ボイラー設置届も労働基準監督署長あてです。
よって問1は正答肢、問2は誤答肢
特定元方事業者の事業開始報告
1. 特定元方事業者の労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一場所において行われる建築工事の着手に当たって、当該作業の開始後、速やかに労働基準監督署長あてに、特定元方事業者の事業開始報告を行った。h22/4
正答肢です。
安全上の措置等に関する計画届
1. 病院の新築工事の施工中において、当該建築物を使用するに当たり、「安全上の措置等に関する計画届」を特定行政庁あてに提出した。h26/4
正答肢です。
建築物除却届
1. 建築物の一部を除却するに先立ち、当該工事の対象床面積が15㎡であったので、「建築物除却届」を、建築主事を経由して都道府県知事あてに提出した。h23/4
正答肢です。
建築工事届
1. 床面積の合計が20m2である建築物の新築に先立ち、「建築工事届」を、建築主事を経由して都道府県知事あてに届け出た。h24/4
正答肢です。
建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律に基づく「届出書」
1.床面積の合計が 500m2の鉄筋コンクリート造の建築物の新築工事を行うに当たって、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律に基づく「届出書」を都道府県知事あてに提出した。h28/4
正答肢です。
外壁、窓等を通しての熱の損失の防止及び空気調和設備等に係るエネルギーの効率的利用のための措置に関する「届出書」
1. 建築主事を置かない市町村において、エネルギーの使用の合理化等に関する法律による特定建築物の新築に先立ち、外壁、窓等を通しての熱の損失の防止及び空気調和設備等に係るエネルギーの効率的利用のための措置に関する「届出書」を、都道府県知事あてに提出した。h25/4
正答肢です。
ちなみに建築主事をおく市町村の場合は市町村長です。
特定粉じん排出等作業実施届出書
1. 特定建築材料(吹付けアスベストやアスベストを含有する保温材等)が使用されている建築物の解体工事を施工するに当たり、当該作業の開始の14日前までに、「特定粉じん排出等作業実施届出書」を、都道府県知事あてに提出した。h27/4
2. 吹付け石綿が使用されている建築物の解体に先立ち、「特定粉じん排出等作業実施届出書」を、労働基準監督署長あてに提出した。h23/4
都道府県知事あてに提出が必要です。
よって問1は正答肢、問2は誤答肢
宅地造成に関する工事の許可申請書
1. 宅地造成に関する工事の許可を受ける必要があったので、「宅地造成に関する工事の許可申請書」を建築主事あてに提出した。h26/4
こちらも都道府県知事あてに提出が必要です。
誤答肢
「危険物貯蔵所設置許可申請書」
1. 消防本部及び消防署を置く市において、危険物に係る貯蔵所の設置に先立ち、「危険物貯蔵所設置許可申請書」を、当該市長あてに提出した。h27/4
正答肢です。
消防本部が無い市町村では
都道府県知事の許可が必要です。
「特定建設作業実施届出書」
1. 騒音規制法による指定地域内において、特定建設作業を伴う工事の施工に先立ち、当該特定建設作業の開始の日の7日前までに、「特定建設作業実施届出書」を、市町村長あてに届け出た。h24/4
正答肢です。
中間検査申請書
1. 中間検査を受ける必要のある建築物について、指定された特定工程に係る工事を終えたので、「中間検査申請書」を、建築主事あてに提出した。h25/4
2. 建築基準法に基づく中間検査を受ける必要のある建築物について、指定された特定工程に係る工事を終えたので、当該工事を終えた日から4日以内に到達するように「中間検査申請書」を、建築主事あてに提出した。h27/4
共に正答肢です。
道路使用許可申請書
1. 資材や機材の搬入に先立ち、トレーラー車を道路上に一時駐車して作業を行う必要があったため、「道路使用許可申請書」を、警察署長あてに提出した。h23/4
正答肢です。
道路占用許可申請書
1.道路に工事用の仮囲いを設置するに当たって、継続して道路の一部を使用する必要があったので、「道路占用許可申請書」を道路管理者あてに提出した。h28/4
正答肢です。
道路使用は警察、道路占用は道路管理者、
2つを混同しないように注意してください。
特殊車両通行許可申請書
1. 道路法による通行の制限を受ける車両を通行させるために、「特殊車両通行許可申請書」を、警察署長あてに提出した。h25/4
道路管理者あてに提出します。誤答肢
歩道の切下げを行うに当たって、歩道の工事の設計及び実施計画について承認を受けるための申請書
1. 建築物の敷地に面する歩道の切下げを行うに当たって、歩道の工事の設計及び実施計画について承認を受けるための申請書を、道路管理者あてに提出した。h22/4
正答肢です。
消防用設備等設置届出書
1. 消防署のある市町村において、設備等技術基準に従って設置しなければならない消防用設備を設置したので、「消防用設備等設置届出書」を消防署長あてに提出した。h26/4
正答肢です。
工事監理報告書
1.共同住宅の工事監理を終了したので、直ちに、「工事監理報告書」を建築主あてに提出した。h26/4
正答肢です。
建築工事に関する届け出の組み合わせの正誤問題
組み合わせに間違いがあるものはどれか?h29/4
1.
- 届出等(以下略)/「土壌汚染対策法」に基づく「一定の規模以上の土地の形質の変更届出書」
- 届出者等(以下略)/土地の形質の変更をしようとする者
- 届出先等(以下略)/都道府県知事
2.
- 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づく「産業廃棄物管理票交付等状況報告書」
- 産業廃棄物管理票を交付した排出事業者
- 都道府県知事
3.
- 「建築基準法」に基づく工事中における「安全上の措置等に関する計画届」
- 建築主
- 都道府県知事
4.
- 「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」に基づく「特定建築物についての届出」
- 特定建築物の所有者等
- 都道府県知事
問3が誤答肢です。
ただしくは特定行政庁です。
組み合わせが正しいものはどれか?h30/4
1.
- 届出(以下略)/労働安全衛生法に基づく「クレーン設置届」
- 届出者(以下略)/事業者
- 届出時期(以下略)/工事の開始の日の10日前まで
- 届出先(以下略)/労働基準監督署長
2.
- 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律に基づく対象建設工事の「届出書」
- 発注者又は自主施工者
- 工事に着手する日の7日前まで
- 都道府県知事
3.
- 騒音規制法に基づく「特定建設作業実施届出書」
- 工事施工者
- 作業の開始の日の7日前まで
- 労働基準監督署長
4.
- 消防法に基づく「消防用設備等設置届出書」
- 特定防火対象物の関係者
- 工事が完了した日から10日以内
- 消防長又は消防署長
珍しく正しいものを選ぶようになっています。
問2が正答肢です。
問1は設置工事開始が”30日前“、
問3は”都道府県知事“あて、
問4は工事完了日から”4日以内“の提出です。
一級建築士学科試験の施工分野9年分の過去問題をまとめました。他の設問へもこちらからリンクできます。
https://halu-ie.com/gakka-sekou-roundup-article/
また一級建築士試験の施工分野の出題傾向と、私が過去問題での学習を勧める根拠をまとめています。こちらもご覧ください。
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