外装材やガラス等建築素材の知識を問う問題です。
隔年2年に一問くらいです。
計画での出題はあまり無いと思いますが、
環境分野でも出題されているのでまとめました。
一級建築士学科試験で出題される建築素材の過去問題をまとめました。
建築素材
ガラス
・Low-E複層ガラスは、中空層側のガラス面に特殊金属膜をコーティングすることで、中空層における放射伝熱を低減した複層ガラスである。H28/問4
.Low-E複層ガラスは、中空層側のガラス面に特殊金属膜をコーティングしたものであり、室内の冷暖房効率を高めることができる。R1/問4
共に正答肢です。
Low-Eガラスは金属膜を
内外どちらに向けるかによって、
遮熱タイプと断熱タイプの2種類があり、
それぞれ日射侵入率がかわります。
・単板の強化ガラスは、同厚のフロート板ガラスと比較して6~10倍の強度をもつため、特段の措置を講ずることなく、アトリウム等の屋根、スカイライト、トップらと等での使用に適している。H28/問4
強化ガラスは破砕すると
粒上になって落ちてくるので、
高い天井に設置するのは危険です。
合わせガラスや飛散防止フィルムを貼って
落下防止措置をとることが必要です。誤答肢
・合わせガラスは、2枚以上の板ガラスでプラスティックフィルムを挟み加熱圧着したものであり、破損時の飛散防止や開口部の防犯性能の向上等を目的として用いられる。H28/問4
※正答肢です。
フィルムを強くして防弾ガラスとしても利用されています。
・板ガラスの耐風圧性能を考慮した使用可能面積は、設計風圧力、ガラスの厚さ、支持条件等が同一であれば、フロート板ガラスに比べて網入り磨き板ガラスの方が小さい。H28/問4
以前網入りガラスは防犯に有効だという
旨の誤答肢が出題されたこともありますが、
網入りガラスは弱いです。正答肢
・建築物の開口部に強化ガラスを使用する場合は、ガラス内部の微細な不純物の混入による自然破損の発生を低減するため、ヒートソーク処理を行ったものを用いることが望ましい。
H26/問5
ヒートソーク処理は
強化ガラスを再加熱することで、
不良品を見分けることができる処理法です。
不純物が混入している強化ガラスは
熱を加えると割れるので、
割れたら不良品だと判断できます。正答肢
外装
・エアフローウィンドウは、一般に、二重のガラス間にブラインドなどの遮光装置を設置し、空調空気を通すことで、ペリメーターゾーンの熱負荷を軽減するシステムである。
H28/問17
・事務所ビルにおいて、窓まわりにおける外部からの熱処理をするために、窓と設備を一体化したペリメーター空調の一つであるエアフローウィンドウ方式を採用した。
H22/問16
・エアフローウィンドウ方式は二重のガラス間に外気を通して熱負荷を低減する方式であるのに対して、ダブルスキン方式は二重のガラス間に室内空気を通して熱負荷を低減する方式である。
H26/問5
H28/問17とH22/問16は正答肢、
H26/問5は記述内容が逆でエアフローウィンドウが
室内空気でダブルスキンが外気です。誤答肢
外装/ガラスやパネルの支持方法
・SSG構法は、ガラスを室内側に設置したフレーム(バック・マリオン)に構造シーラントを用いて接着することで、室外側にほとんどサッシが見えないフラットなガラス面を構成できるものである。H28/問17
SSG構法とDPG構法かどちらか迷ったときは
DPGのDPがドットポイントの略
であることを思い出せれば大丈夫です。
というわけで正答肢です。
※ちなみによく比較される
・メタルカーテンウォールにおけるマリオン方式(方立方式)は、マリオンが日射などの熱により膨張・伸縮することから、変形に対する追従機構が必要である。
H28/問17
・地震時の躯体の層間変位を考慮して、上部又は下部のファスナーをスライドさせて追従させるパネル方式のメタルカーテンウォールを採用した。R2/問5
・マリオン方式のメタルカーテンウォールは、一般に、上部又は下部のファスナーをスライドさせることにより、地震時の層間変位に追従することができる。
H23/問4
メタルカーテンウォールのマリオン方式は、
マリオン(方立)を上下の床又は梁の間に
掛け渡してガラスやパネルを
取り付ける構法です。
方立は固定されているため、
歪みについていける
面内剛性の低いパネルが変位を吸収します。
H28/問17及びR2/問5は正答肢、H23/問4誤答肢(記述はスウェイ方式の説明)
面内剛性の高い歪みにくいPC板を使用する場合は
マリオン方式は適さず、
ファスナー部分が可動することで
変位を吸収する
ロッキング方式やスウェイ方式に
する必要があります。
ロッキング方式についてはコチラの動画が分かりやすいと思います。
・カーテンウォール等の外壁について、部材間の接合部から雨水が浸入することを防ぐため、内外の空気圧を等圧にすることにより重力で排水するフィルドジョイントとした。R2/問5
・カーテンウォール工事におけるフィルドジョイント構法は、外装材の接合部分の水密性能を確保するため、内外の空気圧を等圧にすることにより、雨水を重力で排水するものである。H28/問17
記述はオープンジョイント工法のことです。
フィルドジョイント両側の開口に
シール材を充填(フィルド)して
内部の空気層を密閉します。よって共に誤答肢
・カーテンウォールのオープンジョイント方式において、等圧空気層の容量は、空気取入れ口に比べて大きくならないようにする必要がある。
H26/問5
・カーテンウォールのオープンジョイント方式の水密性能について、雨水の浸入を防止するためには、等圧空間の容量を、空気取入口に比べて大きくする必要がある。R1/問4
※空気層の容量が大きくなりすぎると、
吸入した空気がいきわたるのが遅くなり、
外部の圧力が急激に高まったときに
追いつかない恐れがあるので注意が必要です。
よってH26は正答肢,R1は誤答肢
.連窓を層間変位の大きな建築物に設ける場合、地震時の安全性を向上させるために、ガラスがサッシ枠内で回転・移動しても力が加わらないように、枠とガラスとの間にクリアランスを設ける必要がある。R1/問4
正答肢です。
外装にカーテンウォールを使用するに当たり、シーリング材の耐久年数は、外壁の耐久年数よりも短いことが多いので、雨水が浸入した場合の排水機構を設けた。R2/問5
正答肢です。
外壁に設置する排気口や給気口の防水が難しいので、ダクトを外壁に向かって下がり勾配とし、浸入した雨水を排出できるようにした。R2/問5
正答肢です。施工でも出題される問題です。
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