注文住宅設計をしていて
ほとんどのお施主様が要望される
ウォークインクローゼット(WIC)。
その中でも
“寝室”に設けたいという方は今でも多いです。
実は私も自邸の設計で
寝室にWICを設けたのですが意外と使いづらいです・・・
寝室に設けるのが悪いというわけでは全くなく、
ひとえに
日々の暮らしと収納の場所がフィットしていない
のが原因です。
しかし切り離せないのはコストの問題。
そこでこの記事では
ウォークインクローゼットをどこに設けたらよいか
おすすめの生活のパターンを想定しながら
ご紹介していきたいと思います。
※なお収納を最大化させる
ウォークインクローゼットの
基本間取りについてはコチラで紹介しています。
ウォークインクローゼットは寝室だけではない。洗面や玄関周りにあるととても便利!ただしコストも考えて検討する必要あり。
設ける場所ごとの使い方を考える上で
せっかくなので建物の間取りを想定しておきます。
想定する間取りは2階建てで1階にLDKと水回り、2階に寝室・子供部屋があるおウチ
2階建てで1階にLDKと水回り
2階に個室があるオーソドックスな間取りの家で
考えていきます。
ウォークインクローゼットwith『寝室』
寝室とウォークインクローゼット。
一番ポピュラーで相性が良さそうな組み合わせです。
寝室に併設する場合、朝起きてすぐ着替える人は良いが・・・
寝室とウォークインクローゼットを近づける場合
- 朝起きてそのままウォークインクローゼットで着替える
- 1階のLDKに下りる
こういう生活が一番合うと思いますが、
私達は
- 朝起きてまず顔を洗いに1階の洗面所にいく。
- 1階のLDKで朝ご飯を食べる
- 服を着替えるため2階のウォークインクローゼットに行く
という順番なので
2F寝室に併設するメリットがありません。
「なぜ使いやすい(この場合1階)に設けなかったの?」
という疑問があると思いますが、
その点はやはりコストの問題がでてきます。
なお、「寝室がちょっと狭いかな」と気になる方は
そのものの間取りについてコチラで詳しく解説しています。
建築コストを考えると2階に配置するメリットあり
これは設計者の視点ですが
一般的に
1階LDKプランの場合、
必要な諸室&広さを求められるLDKや
水回りがある1階は広くなる一方、
2階の個室群は逆にコンパクトになりがちです。
1階の面積が広くなればそれだけ
基礎と一階の屋根の面積が増えるため、
総2階建ての建物より建築費用がかかります。
また狭小地ではそもそも建築面積を広げられない問題も
出てきます。
そのため比較的空間に余裕のある
2階個室群にウォークインクローゼットを
設けることで1階の負担を減らし
建築面積が大きくなりすぎないように調整したりします。
ウォークインクローゼットwith『玄関』
帰って来てから一日着ていた服を脱いで
清潔な部屋着で過ごしたい。
さらにシュークロークとの組み合わせで
玄関→シュークローク→WICと
流れるような使いやすい動線になります。
各個室にWICを併設しない場合は
ファミリークロークのように
家族全員の収納スペースと
することの方が多いです。
かなり贅沢な間取りの使い方になるため、
他の空間とのバランスをとる必要があります。
ウォークインクローゼットwith『洗面脱衣室』
朝、顔を洗ってそのまま仕事着に着替える
夜、手を洗ってそのまま部屋着に着替える
洗面脱衣室横にあるととても便利です。
こちらもファミリークロークのような扱いが多いかと思います。
ウォークインクローゼットは物干し場と近づけることでより使いやすい空間に
寝室・玄関・水回りに併設する場合で
ご紹介してきましたが
忘れてはならないのが
物干し場(又は洗濯物を畳む場所)との関係です。
我が家の洗濯動線は
朝
1F洗面脱衣室→2F物干し場で干す
夜
2F物干し場から服を取り込み→1F和室で服を畳み→2FWICに収納
と1Fと2Fを往復する
非常に効率の悪い動線になっています。。
(本当は夜、2Fの物干し場で服を畳み、
そのままWICに収納できるように
計画しているのですが、
実際は子供たちの面倒を見るために
LDKのある1階に降りてこないといけない
という現実があります)
最近では洗面脱衣室+ウォークインクローゼットに隣接させて
さらにランドリールーム(室内物干し場)を設けることで
- 脱衣室(洗濯機)→室内物干し場
- ランドリールーム(室内物干し場)→WIC
と非常に使いやすい動線になります。
ただコチラもコストの問題が出てきます。
コスト、使いやすさのバランスで判断する
ただしこのランドリールーム、
例えば最低の2畳でも設けようとすると
60万~90万円かかる結構贅沢な空間になるため
総予算を考えておかなければなりません。
さらに1階LDKの場合、
WICを1階に置く形にすると
さらに建築面積が必要になり
建築コストもふくらみます。
また狭小敷地の場合は
広い収納はあるけど
窮屈な居室しかない
”衣服様の家”にするのか
という悩みどころもでてきます。
広い収納に憧れている方も
すべてはバランスです。
フラットな目線で判断して下さい。
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