建てた注文住宅が寒すぎて後悔・・・失敗したくない断熱性能の話

光熱費比較

注文住宅で決めなければならないことはたくさんあります。

デザイン、間取り、価格、設備の仕様、耐震性能、断熱性能など様々な中から優先順位をつけていかなければ前に進みません。

注文住宅の設計者としては

これから注文住宅を考えるなら、一番ではなくて良いので【断熱性能】を優先させて投資をすることで、健康とお金のリターンが返ってくるので絶対に損はしません!

といいたいです。

住んで失敗したと後悔しないような注文住宅にしましょう。

家の断熱性能が悪くて後悔している人は多いです。

注文住宅に求める希望は人それぞれですよね。

できるだけ大きな家に住みたい!カッコいい内装にしたい!豪華な設備機器を入れたい!

上記のような希望に予算の全てを注ぎ込みたい気持ちはわかります。

それでも必ず【窓や躯体の断熱性能】には予算を取っておいて下さい。

多くの方がしている後悔をせずにすみますよ。

詳しくはこちらを読んでいただければと思いますが、

実際に注文住宅を建てた先輩家族1000人にアンケートをとったところ、多くの家族が家の寒さ、暑さに満足できていないという結果がでています。

住宅の断熱・気密性能は何十年もの住み心地とランニングコストに直結します。

私自身、自邸を設計し住んでいますが、

実際住んでみると空間デザインや使い勝手とともに、暑さ寒さ等の[快適さ]は住み心地に直結することを実感しています。

特に寒い季節に家に帰ってきた後に包まれる家の温もりは、代えがたいものがあります。

また月々の光熱費も随分抑えられていて、断熱性能にかけた費用を回収していっています。

断熱性能が悪くて生じる問題、良いと生じる恩恵をピックアップしました。

断熱性能が悪い場合は以下のような問題が生じます。逆に断熱性能が良い場合の恩恵も描いていきたいと思います。

断熱性能が悪いと起きる諸問題

  1. 冬とにかく寒い!
  2. 光熱費がかかる。
  3. いくら空調しても快適にならない。
  4. 病気や死亡のリスクが高くなる。
  5. 家の中の活動範囲が狭くなる。
  6. 家の寿命が短くなる。

1、冬とにかく寒い!

おそらくわかりやすさ堂々の第1位でしょう。真冬の朝方、外が氷点下の気温で寝室が10℃以下、トイレは5℃以下になるような住宅もあります。もちろんお風呂も寒い!私の言葉よりもこちらの方のツイートで全て伝わりますね。

 

断熱性能が良い家だとどうなるか?

2017年12月20日 この日は21時には外の気温が0℃とかなり冷え込んでいました。最低気温になったのが朝6時で-4℃という、この地域でも珍しいくらい寒い日でした。

一方私の家の寝室は20時30分から21時ちょうどまでの30分エアコン暖房をつけて、22℃になったところでエアコンを止めたあと、朝6時まで何も暖房をつけないまま過ごしました。それでも室温が17℃ありました。

私の家の断熱性能はとりたてて高いわけではありません。(UA値0.50)

家の形状や窓の面積により変わりますが、窓サッシやガラスの仕様のグレードを上げるだけでこのくらいの数値はでると思います。

2、光熱費がかかる。

下記のグラフは私が家族とともにアパートで過ごしていた時期(旧居)と、新居との光熱費を比較をしたものです。

私はアパート(50㎡)に住んでいたころは年間で約23万円(調理、給湯含む)の光熱費がかかっていました。

私の家ではエアコンをメイン暖房にしていたため、この程度の金額で済んでいますが、

床暖房や輻射熱式暖房器具(デロンギ等)を利用していた施主様は冬場だけで20万円の光熱費がかかっていた人もいました。

ちなみに新居は120㎡ほどで旧居と比べて2.5倍近い広さですが、年間の光熱費はおよそ10万円で済んでいます。

もちろん、旧居は給湯、調理にLPガスを使用していたり新居はオール電化で太陽熱温水器+エコキュートなどを利用しながら夏場の給湯費の削減をしていたりと前提条件が違うのですが、断熱性能を上げると特に冷暖房を我慢することなく光熱費を削減させることができます。

断熱性能の違いによる光熱費の違い

 

3、いくら空調しても快適にならない。

住宅専門雑誌、建築知識ビルダーズNo.28の特別付録のアンケートにはこういったものもありました。

住んでみて不満に感じたこと参照:建築知識ビルダーズNo.28の特別付録

これは注文住宅を建てた方の冬場の不満を集めたものです。

リビングダイニングで抜きんでているのが[暖房をつけると乾燥する]と[床が冷たい]ですね。

これらは特にエアコン暖房の時に顕著ですが、

実はエアコン暖房だけが悪いのではなくて家の断熱性能がエアコンをより不快にさせる要因になっていることが多いです。

断熱性能が悪い家の暖房の悪循環

  1. 部屋の中が寒いからエアコンをつける 。
  2. 家の断熱性能が悪いと部屋の中が寒いままだから、エアコンが頑張ってより熱い温風を出す。
  3. 空気は熱いほどすぐに上に行くので、床付近は全然暖まらない。また空気が熱いほど乾燥させるので室内の乾燥がひどくなる。
  4. 乾燥して気持ちが良くないが、部屋の中がまだ寒いのでエアコンの温度を上げる。
  5. 頭は熱いけど、足は冷たくて安らげない。

この悪循環が続くため、全然快適にはなりません。

灯油ファンヒーターの場合は足付近の冷たさと空気の乾燥は防げますが、

室内空気が汚染されるのと湿度上昇で窓や壁内で結露するおそれがあり、こちらも使い方に注意が必要です。

断熱性能が良い場合のエアコン暖房

断熱性能が良い場合、暖房をつけるとあまり時間がかからず部屋が暖まります。

そうするとエアコンは頑張る必要がないため、吹き出し口の温度は低くなります。

吹き出し口の温度が低いと足元付近まで暖気が届くようになります。また空気の乾燥が緩和されます。

気持ちよさは床暖房には勝てませんが、これだとだいぶマシになります。

3、病気や死亡のリスクが高くなる。

「寒いのは好きだから断熱性能は低くてもかまわない。」という考えの方もおられます。

それでもご家族の健康のために知っておいてください。

“冷えは万病のもと”といわれますが、寒いと病気になるリスクが高くなります。

国の調査でも家の断熱性能と家族の健康の因果関係が証明されつつあります。

国土交通省が補助金を出し、実際に断熱改修をした方の情報を整理したデータ”断熱改修等による居住者の健康への影響調査”というものがサイトにアップされています。

 

参照:国土交通省/断熱改修等による居住者の健康への影響調査

 

現在調査をしている中で得られつつある知見として、

  • 室温の低い家に住む人ほど、起床時の血圧が高血圧となる確率が高い。
  • 室温の低い家に住む人ほど、動脈硬化指数と心電図異常所見が有意に多い。
  • 就寝前の室温が低いほど、夜間頻尿リスクが有意に高い。

など家が寒いことで様々な疾病のリスクが高くなるという、途中成果を発表しています。

ヒートショックも住宅の断熱性能が原因と指摘されています。

また近年よく耳にする「ヒートショック」ですが、冬季に多発することはよく知られています。住宅の中で起きる心疾患、脳血管疾患として問題になっていますね。

実は先ほど紹介した冬の不満足の調査結果の中にも注意しなければならない項目がでていました。

住んでみて不満に感じたこと抜粋参照:建築知識ビルダーズNo.28の特別付録

 

[脱衣室、浴室、トイレなど暖房していない部屋の室温が低い]の項目がこのアンケートの中で最も不満足度が高い結果になっていましたが、

ヒートショックが原因で死亡するケースが特に多いとされるのがこの3カ所です。

「寒いのが好きだから大丈夫」は結構危険だといえます。

温かい地域に住む人ほど冬の疾患が増えているという現実

また、「あったかい地域だから大丈夫!」(沖縄を除く)と安心してしまっている方はこちらをご覧ください。

地域別死亡増加率参照:国土交通省hp

 

詳しくは国土交通省のリンク元に書いていますが、他の季節に比べて冬季に上記疾患で死亡する方がどれだけ増加しているかを示すグラフです。

最も寒いであろう北海道や東北地域で死亡者が多発しているかというと、実は冬季の死亡増加率は全国の中でも最も抑えられていて

逆に栃木が最も増加率が高く、鹿児島や熊本、大分など比較的温暖とされる地域も増加率が高くなっていることがわかります。

これは住宅の断熱性能が一因と考えられます。

北海道の建物の断熱・気密性能は段違いに良いため、外は寒くても中は非常に心地よく過ごせます。

北海道から関西の大学に来た友人が「部屋の中、ほぼ外!」と言っていたのを思い出します。

それでは断熱性能を上げると健康になるのか。

断熱改善で健康改善参照:近畿大学

 

このグラフは断熱性能の悪い旧居から断熱性能の良い新居に転居したあとに各種疾患がどのくらい改善されるかが書かれています。気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎など様々な疾患が断熱性能が良いほど改善されているのがわかります。

4、家の中の活動範囲が狭くなる。

これは実感がある方もおられると思いますが、冬に暖めたリビングから寒い別の部屋や洗面脱衣室に行くのがなんだか億劫になり、リビングから出られない。場合によってはコタツから抜け出せない。という事がありますよね。

せっかく大きな家を建てても冬場リビングから出られなかったら、出られないにしても他の部屋で寛げないのでは凄くもったいないと思います。

断熱性能が良い家だとどうなるか

私の家には現在1階のLDKと2階の寝室の2か所にエアコンを設置しています。メイン暖房のLDKのエアコンをつけると、LDKの吹き抜けを介してほぼ全室に暖気が行き渡ります。

また、断熱性能があるので暖気が外に逃げにくいため、洗面脱衣室、風呂、トイレなどで専用のヒーターを利用しなくても問題なく利用できます。(トイレの暖房便座も使用していません)

そのため家じゅうストレスを感じることなく寛ぐことができます。

5、家の寿命が短くなる。

これは断熱性能とともに気密性能のほうも問題ですが、

断熱・気密の悪い家はせっかく建てた家にも悪影響を及ぼすことがあります。

ずばり「結露」です。

冬にサッシ周りがびちょびちょになった経験はありませんか?

温かく湿った部屋の空気が窓付近で寒い外の気温によって空気温度が下がり、空気中に含まれていた水分が漏れ出して付着する現象です。

サッシでしたら、サッシや窓枠の水分を拭きとるように注意していればまだなんとかなります。

問題なのはこの結露の現象は温かい空気と寒い気温がある部分ならどこでも起こりえるということです。

特にリスクが高いのが「外壁の内部」と「押入の中の壁」です。

内部で発生した結露はどこにも出ることがなく、また住んでいる人も気づかない内に

木などの躯体を濡らすことになります。

濡れることで木が腐ってしまい倒壊の危険性があるのに、

住人が知らないまま住んでいるということもあります。

気密性能が良いとなぜ壁内結露が起きないか

最近の室内の壁や天井には石膏ボードが使われています。

この素材は湿気を遮る能力、【透湿抵抗】がほとんどなく室内の湿気のある空気がすぐに石膏ボードを通り抜けます。

ですので、石膏ボードを抜けた裏のところ、断熱材との境に透湿抵抗のあるフィルム【防湿フィルム】を張るようになっています。

※気密性能が良い家はこのフィルムの施工がものすごく丁寧なことが多いです。そして、気密を上げる施工は一朝一夕にはうまくできないため建築会社を選んだ時点である程度家の心地よさが決まってしまうという点を覚えておいてください。

まとめ

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

お金や健康、家の耐久性のすべてに断熱・気密性能が関連してくるのがおわかりいただけたでしょうか。

今から注文住宅を考えている方、リフォームを考えている方は断熱性能に投資をしてください。きっとそれを上回るリターンが返ってくると思いますよ。

とはいえ、

最後に書いたように断熱・気密性能は建築会社(ビルダー)を選んだ時点である程度決まってしまいます。

ですのでいろいろとビルダーのホームページや資料請求などをとって情報を収集してください。

もし時間が無くて、とか面倒だという場合はこちらのサイトを利用すると便利です。

私の務めている会社もこのサイトからのご相談が今非常に多いです!

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