この記事では
コンパクトな4.5畳のキッチン空間を
有効に使えるレイアウトをご紹介しています。
今回は4.5畳キッチン(芯々2.73m×2.73m)
に必要な条件を
以下のように設定しました。
- ダイニング側からの通路をとれる
- カップボード有(食器と調理家電が置ける)
- 冷蔵庫有
- 吊り戸棚は利用しない
この4つの条件を満たしたレイアウトとし、
またそれぞれのレイアウトで
- 作業スペースの大小
- 収納スペースの大小
- 各キッチン形状による本体価格傾向
が一目でわかるようにしています。
間取りの参考にしていただければと思います。
各キッチン形状別の必要寸法を知りたい方はコチラ
私は普段注文住宅の設計をしています。
キッチン本体の価格は
同メーカー同仕様で
キッチンの形だけが違うという想定で
私の経験から高低を付けています。
実際にはご自身の希望に見合った条件で
見積を出してもらってください。
4.5畳キッチンのレイアウト前提条件
Contents
まず初めに今回の
4.5畳キッチンの配置のルールを
改めて整理します。
ルール1/キッチンの状況と使用する構成アイテム
まず4.5畳キッチンといっても
関東間や京間で広さが様々ですが、
今回は関東間の4.5畳(芯々2.73m×2.73m)とします。

キッチンの状況(配置関係)は次の通りです。
- キッチンは南西角にある
- キッチンの東(画像でいうと右側)にダイニングがある
- キッチンの北側へ通路がある場合は洗面やパントリーに行けるものとする
また使用する構成アイテムについては
- 4.5畳の中にキッチン、冷蔵庫と家電置き場兼お皿置き場になる、カップボード又は作業台のどちらかを必ず設ける
- 話をシンプルにするため、吊戸棚他造作棚は考えない
という条件になっています。
ルール2/キッチンへの出入り方法

キッチンへの出入りの仕方のルールは
次のように決めました。
間口2.73mの中で
ダイニングとキッチンを行き来できることが条件
キッチンへの出入りが
4.5畳より外から入れるようにすると
結局は通路分
“それ以上の空間が必要”
ということになり、
厳密にいうと4.5畳で納まっていない
ということになるからです。
ではまず
この条件を満たした
対面式キッチンの3パターン
をご紹介します。
4.5畳対面式キッチン3パターン
条件を満たしたうえで対面式となると
次の3パターンに絞られます。

- 長さが1800mm(短い!)のⅠ(又は1型)キッチン
- 1650mm*1800mmのL型キッチン
- U型キッチン
3Dで確認していきます。
対面式1型キッチン

長さ1800mmのI型キッチンは
調理スペースが本当に小さいので
採用するのであれば別で
キャスター付きの可動調理台
を購入すると良いです。
対面式L型,U型キッチン
L型キッチン

U型キッチン

L型,U型は使いやすさはバッチリです。
収納量が若干不足しているので、
吊り戸棚等で収納量を増やしても
よいかもしれません。
4.5畳壁付けキッチン8パターン

次は壁付けキッチンの場合です。
全8パターンを考えました。
内訳は次の通りです。
- 1型3パターン
- L型3パターン
- Ⅱ(以降2と表記)型1パターン
- U型1パターン
それぞれ詳しく見ていきます。
壁付け1型キッチン3パターン
1(I)型キッチン自体の特徴として
- 作業動線が長くなりがちだが分かりやすい
- 収納場所が確保しやすい
- キッチンの費用が抑えられる
という特徴があり、
私は設計の際、
1型キッチンで考えることが多いです。

1型キッチン3パターンの中で
「対面にはしなくても良いけど
家族の雰囲気は感じたい」
という場合はコチラのパターンが良いと思います。
首を少しひねれば
すぐにLDの様子も確認できますし、
ダイニングテーブルと横並び
となると配膳もスムーズです。
残り2つは
北側へ抜ける通路があるプランです。
片方はその中でも収納重視、

片方は作業重視にしています。

壁付けL型キッチン3パターン
L型キッチンそのものの特徴として
- 作業動線が短く調理しやすい
- 収納が取りにくい
- 1型キッチンより費用がかかる
となります。
今回のプランは3つとも
北側の洗面もしくはパントリーへの動線を確保し、
北側とダイニングを繋ぐ役目をし、
流れるように家事ができるプラン
を考えました。
1パターン目

2パターン目、

3パターン目です。

コンロとシンクは
どちらがどちらでも良いですが、
システムキッチンでは
- コンロはLの短い方
- シンクはLの長い方
になる場合が多いです。
これを逆にしたい場合は
場合によってはオーダー扱いになったり、
そもそも扱っていなかったりします。
壁付け2型キッチン1パターン
2型キッチンの特徴は
- 複数人の同時作業がしやすい
- 収納が取りにくい
- 食材を移動するときに床を汚しやすい
- L型キッチンよりもさらに費用が高くなりがち
という特徴があります。
レイアウトはコチラです。

正直今回設定した4畳半という条件では
コスパが悪い気がします。
これなら1型キッチンにした方が
収納量、費用の面では有利です。
壁付けU型キッチン1パターン
U型キッチンは
- 調理のしやすさが抜群で、複数人同時作業もなんなく対応可
- 収納が取りにくい
- レイアウトの中では一番費用が高くなる
という特徴があります。
今回のプランもその特徴が存分に生かされたモノ
になっています。

真ん中が広く空くので、
そこに可動式ワゴンを置くと、
収納量不足が若干緩和されます。
キッチンは4.5畳でも意外と大丈夫!
今回結構厳しめの条件を
付けて検証しましたが、
「案外色々とできるんだな」
と感じていただけたでしょうか。
でもやっぱりパントリーがあると嬉しいですね。
是非参考にしてみてください。