普段設計をしていて
「(なんとなく)ウォークインクローゼットが欲しい!」
「収納が多い方が良いから、広いウォークインクローゼットが欲しい!」
というご要望は非常に多いです。
ですが、収納量を確保する目的を考えれば、
ウォークインクローゼットは面積をとるわりに
意外と収納力はありません。
理由は後述します。
そこでこの記事では
ウォークインクローゼットの適切な間取りについて
書いていきたいと思います。
なおウォークインクローゼットはどこに設けると
使いやすいかはコチラでご紹介しています。
ウォークインクローゼット(WIC)の注意点1/”通路部分は収納できない”
まず人が入り込んで衣服を取り出す
ウォークインクローゼットの間取りで
覚えておきたい大切なことは、
人が通る通路部分に収納はできない
=デッドスペースになる
になるということです。
そのためできるだけ通路部分は
少なくしたいところです。
先ほどウォークインクローゼットの収納力は意外と無いと書いたのはコチラの理由からです。
ウォークインクローゼット(WIC)の注意点2/L型収納はデッドスペースが生まれる
あともう一点、
収納力を最大限に確保するためには
なるべく”L型の収納”は作らないようにすることです。
L型のコーナー部分は
完全に使えないわけではありませんが
出し入れしにくい(デッドスペース)になってしまいます。
キッチンでも同じような問題が出てくるためL型の宿命といえます。
この2点をふまえて次から、
収納を最大限確保するための間取りについて
書いていきます。
WIC収納力最大化の間取りの基本1″収納を両側配置にする
人の通路部分はデッドスペースになるので、
できるだけ、通路部分を少なくすることが理想です。
そのため通路を挟んで両側に収納を設けることで
通路部分の面積を増やさずに単純に2倍の収納力が確保できます。
大切なのは出入口を部屋の端に設けるのではなく
真ん中に設けることです。こうすることで両側収納
面積を確保することができます。
WIC収納力最大化の間取りの基本2″部屋の間口は1.82m”にする
ウォークインクローゼットの間口(横幅)は
1,82mが一番効率が良いです。
最も悪いのが片側収納しかとれない
間口1.365mの収納スペース。
これなら無理して
ウォークインにする必要は無いでしょう。
また逆に1.82m以上の間口も
収納力にはほとんど影響がありません。
例えば
2.73m×2.73mの4畳半の間取りも
1.82×2.73mの3畳の間取りも
それほど収納力は変わりません。
ゆとりがあるのは嬉しいですが
それならその差の1.5畳分の広さを
- 別の居室を広くすること
- 使える収納を増やす
ために使いたいところです。
両側配置のウォークインクローゼットは
ウォークスルー
(両側に出入口を設けて通り抜けできる)
にしても収納量が減らないメリットもあります。
うまく間取りを繋げたいですね
間口が狭くてもなんとか両側収納を作る方法
通路の両側配置がマストだということは
お判りいただけたかと思います。
最後に間口1.5mと1.6mしかとれなかった場合の
収納方法をご紹介したいと思います。
間口1.5mのウォークインクローゼット収納方法
片側に可動棚を設けて小物がたっぷり収納できる
スペースを確保しました。
この時、背面の壁はできるだけ壁は薄く作る
ことが奥行のある収納を確保する秘訣です。
間口1.6mのウォークインクローゼット収納方法
奥行が30cm以上とれるようであれば
引き出しも利用できます。
この絵では引出上部は
なにも設けていませんが、
壁受けを付けて棚を設けても良いです。
結論:ウォークインクローゼットは何マス必要?
特に衣服が多いという方でなければ
ウォークインクローゼットのサイズは
ご夫婦用で2畳(910mm×910mmのマスが4つ)あれば
上下2段のハンガーパイプでも
薄手の服が150着弱はかけられる計算なので
十分かなと思います。
- ただし衣替えせずに使う場合は夫婦用で3畳(マス6つ)は必要です。
- 鞄等も置けるよう棚を設ける場合はそこに0.5畳~1.0畳(マス1~2)追加になります。
- 上段ハンガーパイプで下は引出とすると収納スペースを圧縮することが可能です。
またファミリークロークとして利用する場合、
お子様が一人増えるごとに
1畳(910mm×910mmのマスが2つ)追加すれば
衣服・鞄など小物まで収納できるでしょう。
というわけで、
4人家族のファミリークロークは5畳~6畳
あると余裕がありますね。
EX.ウォークインクローゼットに窓は必要か?
間取りの他に収納力を左右するポイントとして
窓の有無が挙げられます。
結論から言うと、
私はクローゼットに
窓を設けたことは殆どありません。
窓による収納力・日焼け・結露のリスク
私がウォークインクローゼットに窓を設けない理由は
色々とあります。
- 窓がある部分に服が掛けられず収納力が低下する
- 窓から入る日差しで服が日焼けする
- 結露が起こりがちで服の保存状態が悪くなる
上記のようにデメリットが多いため
窓を設けることはありません。
どうしても換気したい場合は換気扇をつける
湿気の多い家で、
どうしても換気が必要な場合は
換気扇を付けた方が良いです。
窓による自然換気と違い、
安定した空気の交換が可能ですし、
突然の雨でも安心です。
クローゼット内は明るめの照明器具を選ぶこと
服が多くなってくると、
クローゼット内が以前よりも
暗く感じることがあります。
ですので照明器具は少し明るめのモノを
選んでおきましょう。
明るい照明があることで、
洋服の色味や状態が確認しやすくなります。
また白色の照明光を選ぶと、
さらに色味が判別しやすいです。
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