この記事では
冬場の部屋の乾燥を防ぐ、
代表的な7つの加湿方法の
それぞれの長所・短所、おススメ度を
わかりやすくご紹介しています。
湿度を上げる方法でおススメは『室内干し』、『濡れタオルセット』、『加湿器』です。
私はふだん注文住宅の設計をしていますが、
冬場、お客様と打ち合わせをしている中で
「空気の乾燥を防ぐのに一番良いのは?」
と聞かれることがあります。
ここで結論を先に書きますと、
私は
「お金を節約したいのであれば、
『洗濯の室内干し』と『濡れタオル(セット)』
で予算があるなら『加湿器』がおススメです。」
と答えています。
なぜおススメか?
をココから説明していきます。
まず初めに
代表的な加湿方法7種類の
メリット・デメリットの一覧表を作成したので
こちらをご覧ください。
「これはおススメ!」「これは効果なし…」。7つの加湿方法のメリットデメリットをご紹介していきます。
ここからは一覧表の補足説明とともに
それぞれ
- メリット
- デメリット
- おススメ度
の順番で解説していきます。
1、加湿器
加湿方法の王道ともいえます。
メリット
- 安定した加湿が可能
- 様々な加湿器が販売されており、様々なデザインや機能の中から豊富に選べる
デメリット
- 製品の購入で費用が掛かる
- 電化製品なので故障のリスクがある
- 商品選択を間違えると望んでいた効果が得られない
- 設置場所が電源の位置によってある程度限定される
加湿器のおススメ度○
価格やデザインだけで選ばずに
- 水容量
- 加熱方式や超音波方式など加湿方法
- 給水方法や給水頻度
- サイズや設置場所
- その製品ならではの便利機能
などの部分で自分の生活にあった一品を
選ぶことができるかどうかが
高い加湿効果を生むカギです。
2、洗濯物室内干し
家の性能によってはWIN-WINの関係になります。
メリット
- お金がかからない
- 安定した水蒸気の供給が可能
- 断熱・気密性能の高い家は冬場でも部屋が暖かいため、外で干すよりもよく乾く&加湿効果もあるという、ダブルの効果がある
デメリット
- 室内が寒い家だと加湿効果は少なく、洗濯物が生乾きに。
- 加湿場所は物干し場所に限定される
洗濯物室内干しのおススメ度○
洗濯物は5ℓ程度の水分を含んでいるといわれています。
加湿器で5ℓのものを選ぶと
結構いいお値段になるものも。
ですので、
断熱・気密がそこそこ高い家で、
冬場でも室内は暖かい
という家にお住まいであれば
家にも服にもダブルでメリットがあるため
かなりおススメできます。
加湿場所は物干し場に限られてしまいますが、
サーキュレーターを利用することで
より広範囲に水蒸気を届けることができ、
さらに洗濯物も乾きやすくなるので、
ぜひ取り入れたいです。
詳しくはコチラの記事をご覧ください。
3、濡れタオル
ハンガーに吊ってどこでも気軽に設置できるのが魅力です。
メリット
- お金がかからない
- 設置場所が比較的自由でお手軽に設置できる
デメリット
- タオルによってはすぐに乾いてしまうため小まめに給水する必要あり
- 長期間の放置により雑菌が繁殖する恐れがある
濡れタオル(単独)のおススメ度△
お手軽に設置できるのは魅力的ですが、
先ほどの洗濯物干しと比べると
水分量が不足しがちで効果は限定的です。
またタオルによってはすぐに乾いてしまうため
その度給水するのも面倒です。
4、(コップ/桶)に水張り
置いておくだけなので手間なしです。
メリット
- お金がかからない
- 設置場所を限定せずにどこでも設置可能
デメリット
- コップや小さい桶程度では表面積が小さいため加湿効果は高くない
コップや桶に水張り(単独)のおススメ度×
お手軽に設置できるのは魅力的ですが、
コップや小さい桶程度では
気分程度の効果しか期待できませんし、
大きな容器では邪魔になる&水換えが面倒です。
Adv.水を張った桶と濡れタオルの組み合わせなら効果抜群!
『蓄積できる水分量が少なく乾きやすい』濡れタオル
『表面積が少なく加湿効果が少ない』水を張っただけの器
この2つを組み合わせることで
お互いのデメリットを相殺し、
おススメへと進化します。
方法はとても簡単で、
水を張った桶に濡れタオルの端を浸しておくだけです。
5、お風呂の換気扇(排気)を止めて開けっ放しにする
メリット
- お金がかからない
- 資源を有効活用できエコ
- お湯であれば大量の水蒸気を供給できる
デメリット
- お風呂の換気が十分でなければ、浴室内にカビや水垢が発生しやすい
- お風呂は家の外壁側に配置されること(特に北寄り)が多いため、断熱気密性能のイマイチな家で行うと大量の水蒸気が脱衣所の壁や窓際で冷やされ結露が多く発生する
- 外壁の防湿施工がイマイチだと壁内で結露が起こる可能性もある
- バスタブの湯を加湿に利用する場合、入浴後のバスタブに付着した雑菌を他の部屋に届けることになる
お風呂開放のおススメ度△
効果は魅力的ですが、
- 浴室のカビ発生
- 脱衣室の窓付近
- 壁内結露
のことを考えると
上級者向けだといえます。
逆をいえば
正確な防湿&気密工事と
綿密なシミュレーションのもと、
お風呂の水蒸気をダクトとファンで
各部屋に届ける計画をするような
温熱環境の制御に長けた業者であれば
安心といえます。
私は浴室掃除を担当しているということもあり、
加湿効果よりもよく換気してできるだけ
浴室や脱衣室を乾燥させ、
掃除をしやすくすることを優先させています。
6、石油ヒーター
メリット
- 暖房と加湿が同時に行える
デメリット
- 最近の家のように気密が良い家で利用する場合、積極的に換気をしないと一酸化炭素中毒になる危険性が高くなる
- エアコンよりも空気が汚れやすい
石油ヒーターのおススメ度△
デメリットで書いた通り、
気密性のある家で利用するのは
特に注意が必要ですし、
積極的に換気をすると、
せっかくの水蒸気も外に逃げていくので
加湿だけを考えて利用するのは
おススメしません。
しかし、築古の家の暖房には欠かせない
器具であることは間違いありません。
7、植物
メリット
- 置くだけでお手軽
デメリット
- 冬場の植物は活動も緩やかな蒸散(加湿)の効果は低い
植物のおススメ度×
私の家の全長2.5mの
フィカスウンベラータも
冬場は1週間から10日に1回、
600ml程度の水やりで十分です。
仮に6日間で割っても1日100mlですし、
室内が植物園のようになっていない限り
加湿効果はあまりないです。
まとめ
よって
安定した効果を得たいなら『加湿器』
節約しながら加湿したいなら『室内物干し』と『濡れタオル+水桶セット』
がおススメです。
なお、結露の助長につながるので
湿度は50~60%程度にとどめておいてください。
コメント
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[…] 【一覧表でわかりやすい】部屋の湿度を上げる7つの方法のメリットデメリットや注意点がわかります。 […]