この記事は、
住宅設計をしている私が
自邸で体感している天窓の魅力のひとつを
写真とともにお伝えするだけの記事です。
「天窓ってなんとなくいいな~」
「天窓って家にあるとどんな感じになるのかな~」
と思われている方の参考になればと思います。
天窓が映す季節ごとの光が最大のメリット。デメリットを吹き飛ばす魅力がそこにあります。
「天窓ってなんとなくいいな~」と
思った方がインターネットで検索すると、
「天窓を設けたことによるメリットやデメリット」
のような記事が多く出てきます。
記事の中身は
「設けると換気効果の向上や
採光面積の確保で光熱費が安くなります。」とか
「設けることで雨漏りの恐れや、
日射の入りすぎで冷房費が増加する恐れがあります。」
など主に
天窓の機能面や金銭的な面にフォーカスされています。
それを見ているうちに、
はじめの「なんとなくいいな~」という気持ちが
いつのまにか損得の話にすり替わってしまう・・・
それってなんだかすごくもったいないなと思うのです。
自邸に天窓を設置した理由
私は自邸に天窓を設けました。
普段住宅設計を仕事としており、天窓の機能面でのメリット、メンテナンス面でのデメリットはもちろん十分理解していますが、そんなことは二の次で、どうしても天窓を設けたかった理由は別にありました。
それは、
“綺麗に切り取られた空と、そこから落ちてくる光が見たかったから”という情緒的な理由でした。
住み始めてかれこれ5年になりますが、綺麗な空も、落ちてくる光も満足しています。
【写真でご紹介】天窓のある風景
私の家は2階建てで、家の中央に階段がありその階段上部の北屋根に天窓を設けています。
天窓からの光を室内に最大限取り込むために、開口部をラッパ状にしているのが特徴です。
天窓から入ってくる光は季節や時間によってさまざまです。
冬の光
冬は太陽高度が低いため、直射日光は差し込みません。ですので、日中ずっと穏やかな光が入ってきます。間接光は直射日光よりも空間全体が明るくなるのも特徴です。
夏の光
好きなのは夏の天窓の景色です。空の青は力強く、また太陽高度が高いため直射日光が壁を照らします。
朝の光
朝の1時間ほどの間だけ、光は強い青みを帯びて室内に入ってきます。また壁が青みを反射するので空間全体が青色で満たされます。
夕方の光
夕方が迫るころに、光は徐々に赤みを帯びてきます。この後夕焼けになった空も綺麗です。
月夜の明かり
カメラで撮影するのは非常に難しいのですが、天気の良い満月の日は月明りの光の筋が壁に描かれていて、寝る前にぼーっと月明りをみていると心がやすらぎます。
etc…天窓と高窓の違い
天窓と似たような機能を持つ窓として”高窓”というものがあります。
壁の高い位置につける窓の事で、
吹き抜けの南側に高窓がついていると採光能力が増しますし、開閉できる窓にしておけば換気能力などは天窓と同様に高くなります。雨漏りリスクは天窓よりも少なくなります。
では天窓にする理由がなにも無いじゃないかと思われるかもしれません。
ところがよほど恵まれた敷地でなければ、道路には電柱や電線があるし、お隣さんは建っているしで、なかなか雑音の少ない空を得るのは難しいのです。
まとめ
初めに天窓がいいなぁと思ったその気持ちを大事にしてください。
これは天窓の話以外でも言えることですが、人が住む住宅は決して機能面(損得)だけで決められるものではありません。
「天窓を設置したらメンテナンスが心配。」だったらメンテナンスを考えた設計にすればいいですし、「直射日光で暑くなるのが心配。」だったら高性能な窓を付けるなり、内側にブラインドを設けるなり、開閉式にするなりデメリットを少なくするように対応すればよいだけです。
今後は天窓のデメリットをできるだけ少なくするための方法なども書いていきたいと思います。
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